国引き・国造り・国譲りの出雲神話は日本モデルの原点

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出雲国風土記には次のような国引き神話が記されている。

八束水臣津野命(ヤツカミズオミツヌノミコト)という神が、
八雲立つ出雲の国を大きくしようと、新羅で余っている土地に網をかけて、
「国来、国来」と引き寄せたのが島根半島西部(八穂米支豆支の御埼)。

朝鮮半島(新羅)から土地をちぎって網で引いてきた?!
鉄や稲作等の技能をもった渡来人が出雲にやってきたということだろう。

また誰もが知るスサノオノミコトのヤマタノオロチ退治。
8つの頭を持つ大蛇は、

  • 溶鉱炉から流れ出る真っ赤に溶けた鉄
  • 氾濫を繰り返していた出雲地方の斐伊川

のいずれかの隠喩とも言われており、

スサノオが、

  • 鉄の武器を有した出雲の渡来人を支配下においた。
  • 渡来人の技術を使って、斐伊川の治水工事をした。

というような出雲の国造りの原点が隠されているのだろうか。

そしてスサノオの娘婿のオオクニヌシノミコトが、
海の彼方より来訪したスクナビコナとともに出雲の国造りを進めていく。
ここでも渡来人の技術の助けを得ていたことが分かる。

オオクニヌシの息子の代で、高天原のアマテラスへの「国譲り」起こり、
出雲神話は幕を閉じるのだが、国引き・国造り・国譲りの流れには、
日本の社会モデルの原点が描かれているように思えてくる。
外から受け入れたものを自前の技術に変換した上で輸出する、というような。

でも近年はとくに外来のビジネス用語が元の意味もあやふなまま、
カタカナ用語で流通して中身が空っぽな雰囲気に覆われている。
歌を忘れたカナリアようで、これでいいのか?とも感じることもあるが、
こんなものは取るに足りないと受け流しているだけなのかもしれない。

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