春の雪が豊作を約束? 勅撰和歌集も春の雪で景気づけ。

「さくら」の語源は、

  • 「さ」…稲の精霊を表す
  • 「くら」…神が座する場所

であり、
春の訪れとともに穀物の精霊が舞い降りる場所が「桜」という説がある。
ゆえに古代人は桜の花の散りぐあいで、秋の豊凶を占っていたという。

先日、東京でも桜の開花後に雪が舞ったが、
春の雪もまた、桜と同様に秋の収穫を占うものだった。
春の雪は米の花の前兆で、豊作を約束するめでたいものとされる。

その証拠として全21の勅撰和歌集のうち、
6つの和歌集で一番最初の歌が春の雪を詠ったものになっている。
和歌集完成の祝言や後世に読み継がれることへの祈りといった位置づけかな。

《後撰和歌集・藤原敏行》

ふる雪の みのしろ衣 うちきつつ
春きにけりと おどろかれぬる

《新古今和歌集・藤原良経》

み吉野は 山もかすみて 白雪の 
ふりし里に 春は来にけり

《新後撰和歌集・藤原為氏》

佐保姫の 霞のころも 冬かけて
雪げの空に 春は来にけり

《風雅和歌集・藤原為兼》

あしびきの 山の白雪 けぬがうへに
春てふ今日は 霞たなびく

《新千載和歌集・藤原俊成》

春や立つ 雪げの雲は まきもくの
檜原に霞 たなびきにけり

《親続古今和歌集・藤原雅緑》

春きぬと いふより雪の ふる年を
四方にへだてて 立つ霞かな

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