タラレバ思考は現代病? 後知恵のイタズラから逃れるために。

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妻がどこからか「東京タラレバ娘」の漫画を借りてきた。
帯に「累計350万部突破」と書かれている。そんなに売れているのか。

こういうのが人気が出るのは今の時代ならではなのかもしれない。
いつの時代よりも「タラレバ」に囚われやすい社会だと思うから。

過去のように情報も選択肢も限られていた時代と違い、
現代は個人が自由に選択することが尊重され、情報があふれている。

でもそれゆえに「なれたかもしれない自分」を考えがちになり、
これまでの選択に後悔することで、これからの選択にも影響が出てしまう。
こうした思考回路は人間の脳の限界に由来するらしい。

人間の脳の一般的な限界として、過去における自分の理解の状態や過去にもっていた自分の意見を正確に再構築できないことが挙げられる。新たな世界観をたとえ部分的にせよ採用したとたん、その直前まで自分がどう考えていたのか、もはやほとんど思い出せなくなってしまうのである。」(ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」上巻P355)

つまり大なり小なり誰もが後知恵のイタズラで自分を見失う可能性がある。
とくに証券市場を相手にしていると、こんな局面にしょっちゅう出会う。

ではこうした脳の困った仕組みと付き合うにはどうすればいいのか?

おそらくいちばん効果的なのは、予想される後悔をあらかじめ書き出しておくことだ。そうすれば悪い結果になったとき、自分は決定する前にちゃんとその可能性を考えておいたのだと思い出し、あまり後悔にさいなまれずにすむはずだ。」(ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」下巻P218)

行なった選択に後悔するよりも、選んだことの中に、次に進むために必要不可欠なものがあったと考えるほうが未来に活きてきます。私も日ごろから、選択をする際には、その結果がうまくいくかどうかではなく、うまくいかないとしても納得できるか」というところに重きを置いています。何か選択をする際に、そのように考えれば、結果にとらわれず、後悔することは少なくなるでしょう。」(羽生善治「結果を出し続けるために」P66)

オマケで投資家として私なりに確立した自制の方法としては、
多くの人や情報と交わらず、社会との距離をほどほどに保つこと。
他者との比較や最新情報の追いかけすぎが根源にあると思うから。

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