木乃婦主人、髙橋拓児が語る八寸、造り、御椀の美学

テーマに興味がある時に参加している「脳の世紀シンポジウム」。
今回は「食と脳」がテーマだから、私が行かなくて誰が行く?!

特別公演は京都の料理屋「木乃婦」主人の髙橋拓児さん。

2013年出版の著書「10品でわかる日本料理」は素晴らしく、
一時期、味の分かる知人への贈答用にしていたほどの逸品。

講演の内容を本書で補完しつつ、メモを残しておく。

八寸=自然・宗教観+積層的様式美

八寸の由来は?

  • 八寸は24.24cm=一寸(3.03cm)×8
  • 渡来の箸文化に合わせ、一口大の3cmを基本に調理。
  • 茶懐石。千利休が京都八幡宮の神器をヒントに。
  • 一期一会の思いを込めて旬の食材でおもてなし。
神道・仏教の様式美を八寸盆に盛り込み、見立てる。 
  • 御神膳…遠くから運んできたものを美とする
  • 精進料理…半径30Km以内の地域の食材
  • 歳事記…二十四節気に合わせて旬の食材

造り=多種多様な魚+高度な切る技術

日本近海で約3000種類の魚介類が獲れる。

  • 日本近海の海流の恵み。
  • 魚の調理法に合わせた包丁があり、
  • 他のジャンルよりも修行期間が長くなる(1日1種で10年)

魚の調理法には階級があり、

  1. 造り…美味しい脂を蓄えた旬の魚を生で
  2. 蒸し物…加熱した方が美味しければ、蒸す・湯がく
  3. 焼物…蒸してクセが出るなら焼く
  4. 揚物…焼いても今ひとつなら揚げる
  5. 煮物…それでもダメなら醤油やみりん、酒で味をのせる

御椀という料理名の秘密

昆布と鰹節で美味しい出汁と引くことはもちろん、
塗りの御椀で出すことで完成する料理だから料理名になった。

  • 中の食材を食べ終わるまでの間、高い温度を保つ
  • 香りを閉じ込め、蓋を開けた瞬間に香りが一気に広がる
  • 軽く持ちやすく、口につけても熱くない
  • 塩や酸に強く、耐水性・抗菌性に優れる