丸井グループ「共創経営レポート2016」は一読の価値あり!

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今週たまたま丸井青井浩社長が登壇するセミナーに参加した。
配付資料にできたてホヤホヤの冊子をもらったのだがこれがいい!

読む前の私は消費者としても投資家としても丸井に関心ゼロ。
そういえば子どもの頃、自由が丘で店舗があったなぁというレベル。

共創経営レポート2016のココが○

このレポートを読んだ後には下記のようなポイントがスッキリ頭に入り、

  • 丸井の歴史と経営危機からの復活と現在の経営方針
  • 今春オープンの博多マルイに行ってみたくなる開店までの経緯
  • 過去・現在と将来目指すべきの財務のかたち

まだ経営改善の過程であることから投資対象として興味が増し、
妻の実家が福岡だから今度、博多マルイに行ってみたくなった。

とくにこのページがお気に入りだ。
カード事業と小売事業が混在するとB/Sが難しいから理解の助けになる。

丸井が目指すべきバランスシース

また私はこの手のレポートで「第三者意見」とか言って、
自信なさげに外部の有識者の文章を掲載しているのが嫌い
会社との利害関係が不明だし、どの会社も同じような顔ぶれの有識者だから。

そこを丸井は社長と藤野英人氏との対談にしているのがスゴい!
金融機関系列の運用会社のファンドマネージャーでは、
いろいろなしがらみがあって、発言に信用ができない。
独立系のアクティブ運用の藤野さんだからページを割く価値がある!

最後にもうひとつ。
裏表紙に「企画・制作 株式会社エッジ・インターナショナル」と記載がある。
IR関係のレポートで制作支援会社の名前が入っているのは珍しい気がする。
「共創」を掲げる会社ならではの配慮なのかもしれない。

共創経営レポート2016のココが×

P21に業態転換について記述があるが、

「ココロの豊かさを求める現代の消費者はコト、即ち飲食や体験、サービスを求めており、こうしたニーズに応えるには、百貨店型の業態は不向きなのです。では、どうしたら良いのか。私たちの下した決断は、不動産型の商業施設へと業態転換することでした。」

ここがかなり重要と思われるが、業界の予備知識がないと理解不能だった。
百貨店型と不動産型の違いの図解を欄外に示して欲しかった。

後ろの方まで読み進めると、

  • 百貨店型…すべて自社ブランドの店舗で売上を伸ばす
  • 不動産型…店舗スペースを貸して賃貸収入を伸ばす

という違いを示していそうだが、最後までハッキリしなかった。

またP23ではNOI利回りを重視している旨の記述があるが、

「百貨店型の時には、売上高に対する利益率がKPIでしたが、不動産型になると、不動産の時価に対する利益率、いわゆるNOI利回りがKPIになります。」

P70の中期経営計画にはNOIに関する記述が見当たらず矛盾していた。

とはいえ今年出会ったレポートの中で最も印象的だったことは間違いない。

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