「本日のスープ」ガイド・巻10/71~77皿目

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m@さんrennyさんとのリレー連載企画「本日のスープ~株式投資をめぐる三重奏~」の高速ガイド。 今日は71皿目から77皿目までを編集しよう。

65~70皿目での企業発行のレポートについての言及を受けて、71皿目では統合レポートに掲載される非財務情報について、

  • 事業会社にとってのCSRとCSV
  • 投資家にとっての社会的責任投資(SRI)とESG投資

についてm@さんから簡単な解説。
その上で企業に社会的課題の解決を求めるのは社会活動家や消費者の役割だけでなく、投資家の仕事でもあるのでは?という問いかけに会計からの切り口で、

私とrennyさんがそれぞれ社会を意識した投資の必要性を説いた。会計は投資家にとって世界共通の言語のようなものだから一通り学んでおくのはもちろん、こうして会計に織り込まれた社会に対する要請を読み解いてみるのもおもしろい。

73皿目でrennyさんが負債の部に着目したことを引き継いで、74皿目ではm@さんがフェア・ファイナンスを紹介。大手銀行の投融資方針を環境や人権の観点からスコア付けしたサイト。そういえば世界的に同様の調査を実施して、国際比較可能なレポートを発表すると聞いていたけど、その後どうなったのだろう?

ちなみにサステナブル投資(SRIやESG投資など)の投資残高の国際比較については、”Global Sustainable Investment Alliance”が2年に1度集計したデータを公開している。日本も徐々に環境が整ってきたことで、2017年初めに発表予定の2016年度版からはきちんとしたデータを提出できる予定。(2014年度までの日本のデータは個人投資家向けの投信・債券残高のみのため規模が小さい)

続く75皿目では私からESG投資に関する最新の研究報告を紹介し、この10年でESG投資に対する社会のイメージが「社会のために投資リターンを犠牲にする」というよりも「社会性を意識した方が投資リターンが向上する」という考えに代わってきていることを紹介した。

76皿目ではrennyさんが上場審査にESG評価を加えてはどうか?という提案。なるほど投資家の資金が直接企業に届く新規公開時の方が、投資家・企業双方に社会に貢献している実感が持てるのではないだろうか。

ただしESG評価についてはすべての要素で平均以上を目指すのではなく、個々の企業の成長に効果的なESG要素に重点的に取り組む事で、社会的な利益と会社の利益を無理なく実現していくことが将来の姿では?というm@さんからの指摘があった(77皿目)。

78皿目以降もESG投資の話題が続いているけど、今回のガイドはここまででおしまい。社会を意識した投資に関心のある個人投資家みなさまに、この連載が役に役に立ったら嬉しいなぁ。

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