人生とは星を見つけ、星座をつむぐこと。

荻原井泉水(1884~1976)のエッセイ「星を拾う」より、
俳人である著者が自選の句集を編集する中でふと思い出した言葉。

人生というものは塵芥の中から宝石を見出すということである。

そしてその宝石を夜空の星に見立てて、
そこに星座や星雲を見出すように編集を続けていく。

あえて数を多く拾おうと心がけているのではない。ほんとうに大きな星を、ほんとうに美しい星を私は拾い上げて、そしてそれを一つの層雲の星系として運動づけたいのである。

自分の人生に輝くものを見出し、過去・現在・未来へと紡いでいく。
かつてスティーブ・ジョブズも”Connecting the Dots”と表現していたか。

記憶の中に星や星座を見出せるかどうかで、人の幸福感は大きく変わるもの。
だから記憶に心があると考えてもいいのかもしれない。

でも私たちの人間は約60兆の細胞でできていて、うち数千億は1日で入れ替わる。
細胞レベルでは半年で別人になってしまうのに、なぜ記憶が保たれるのか?
生物学者の福岡伸一氏は神経回路の作用ではないかと指摘している。

例えるなら、夜空の星が細胞で、星座が神経回路。
星座を構成する星が入れ替わったとしても、
星座の形が残り、その形の中に記憶が宿っているとの考え方。
私たちは意識せずとも星を探し、星座を見出し続ける生き物ということか。

人生とは何か?
そう問われたときに、

「人生とは星を見つけ、星座をつむぐこと」

なんて答えたら、
ロマンティックながら本質を捉えた名回答なのかもしれない。