ネットの評判がリアルを支配する「勝手に選別される世界」

IT革命の恩恵で簡単に多様な情報や価値観に触れられるようになった。
私たちの情報収集が受動的ではなく、能動的に変わり、
当初の悩みといえばあらゆる分野で「学習の高速道路」が整備され、
高速道路を駆け抜けた先の大渋滞をどう抜け出すのか?だった。

ところが私たちが消費する情報量があまりのスピードで増大し、
情報をいかに取捨選択していくかが課題になってきた。

しかし氾濫しすぎた情報を、ITの力を使って個々人の好みに合わせる、
たとえばAmazonのおすすめ商品の表示機能のような方法に傾いていった。

ネットが「見たいものが見れる」と期待されていた時代から、
「見たいものしか見ていない」時代へ変わってしまったのだ。

問題は私たちの情報世界が再び受動的なものに戻っただけではない。
個々人の好みに合った情報を手軽に手に入れる代わりに、
日常生活のすべてが点数化され、データ分析の対象になってしまう。

そしてネットの評判(レピュテーション)がリアルを支配する世界
The Reputation Economy“がやってくることを説いた一冊が、
勝手に選別される世界」。

間近に迫っているレピュテーション経済では、あなたが借金するとき、健康保険に加入するとき、あるいは仕事に就こうとするとときであっても、あなたの行動に基づいてスコアが決まるだけでなく、あなたの友人、仲間、同僚も評価される。「適切な」仲間といっしょにいれば、あなたのスコアは高くなる。だが、もし、友人があなたに悪影響を与えているとアルゴリズムが判断すれば、ある種の特典や機会はあなたを素通りするだろう。」P96

本書では様々なレピュテーション・スコアとそのスコアを使った事例、
今後の見通し、さらにはよい評判を獲得するための指南が示されている。

表面的な話ばかりだが、評判が人と社会を縛り上げていく様子が見てとれる。
著者は評判を上げるためにネット上で自己PRに励めと訴えるがバカバカしい。
とはいえ以前も指摘したように、

のだから、
私たちも飲食店のように点数付けされる日は近いのかもしれない。