西行「山家集」

西行「山家集」

中世の月食は不吉。でも西行は月が好きだから見たい!

先日の皆既月食は空が雲に覆われていてまるで見えなかった。 外に出れば見えるかな?と図書館へ本を返却するついでに出かけてみると、多摩川の堤防の上に人があふれていた。昔の人があの光景を目にしたら、さぞかし...
日本の美意識

中秋の名月よりも九月十三夜の月を愛でる

以前、古今和歌集に中秋の名月の和歌がないことに気がつき、竹取物語に絡めて、当時の月のイメージが原因では?と考えた。 中秋の名月を詠わない古今集。月が不吉な竹取物語。 付け加えるなら、そもそもこの頃の日...
西行「山家集」

西行「山家集」より真夏の夜の月

暑い日が続くので涼しさが感じられる和歌を探してみた。西行「山家集」から夏の月歌を4首ほど。 涼を求めて泉で出会った月を詠む むすびあぐる 泉にすめる 月影は 手にもとられぬ 鏡なりけり むすぶ手に 涼...
西行「山家集」

桜をめぐる旅。花見は瀬戸内海がお薦め!

人生最長の7泊8日の長旅。ちょうど桜の満開時期に重なり、各地で桜を見ることができた。 花見にと 群れつつ人の 来るのみぞあたら桜の とがにはありける 今よりは 花見ん人に 伝へおかん 世を遁れつつ 山...
西行「山家集」

西行の「花に染む心」に共感をおぼえる

毎年、桜の咲く時期になると、 Google経由で西行の桜の和歌の記事が一番人気になる。 西行「山家集」春の章より桜歌10首 今一度読み返してみたら、今の心境にピッタリの一首がある。 花に染む 心のいか...
西行「山家集」

和歌で読み解く、短冊以前の七夕の願いかけ。

毎年この時期に七夕の和歌を紹介してきた。 最近は歌人に着目して編集してきて、 柿本人麻呂の和歌で詠む七夕の心 紀貫之の和歌で詠む七夕の心 建礼門院右京大夫の和歌で詠む七夕の心 平安時代以降は顔を合わせ...
西行「山家集」

西行「山家集」冬の章より落葉歌

葉を散らす木々や地面に覆う落ち葉。 それが秋から冬に変わる頃の歌人の関心事だった。 西行「山家集」冬の章から何首かピックアップ。 立田姫 染めし梢の 散るをりは くれなゐあらふ 山川の水 紅葉よる 網...
西行「山家集」

「なんとなく」の由来を求めて/西行「山家集」

「なんとなく」って言葉をよく使う気がする。 日本語の曖昧さの象徴的な言葉であり、 論理ではなく直感的に捉える日本的な感性でもある。 いつ頃から使われていた表現なのか? 和歌データベース を使って調べた...
古今和歌集

日本人だから聞こえる虫の声。欧米人には雑音。

涼しくなるにつれて、虫の声が耳に入ってくる。 あれ松虫が 鳴いている ちんちろ ちんちろ ちんちろりん あれ鈴虫も鳴き出した りんりんりんりん りーん りん 秋の夜長を鳴きとおす あ~ おもしろい 虫...
西行「山家集」

西行、中秋の名月を詠う(山家集)

今年2014年は中秋の名月が9月8日なんだって。 旧暦8月15日の満月だから現在の暦と微妙にズレる。 例年は9月中旬~10月上旬だけど今年は特に早い。 西行の「山家集」を探してみると、 中秋の名月を題...
西行「山家集」

真夏の夜の月歌

日本の月というと中秋の名月など秋のイメージだけど、 和歌集をめくっていたら、夏の月もあることを知った。 月の和歌といえば、まずは西行の「山家集」より。 むすぶ手に 涼しき影を 慕ふかな 清水に宿る 夏...
私の人生観

隠居ではなく遁世と世俗の間へ

かつて「35歳で隠居!」と宣言し、その時が来た2013年。 実際に完全に捨てきることはむずかしかった。 鎌倉時代に漂白の旅と草庵に生きた数寄者・西行でさえ、 世の中を 捨てて捨て得ぬ 心地して 都離れ...
西行「山家集」

パワースポットといえば、、、吉野山かな?

「日本のパワースポットといえばどこだと思いますか?」 「歴史の観点からすると奈良の吉野山かな。行ったことないけど。」 このあいだ、こんな会話を交わした。 歴史上、吉野山が重要なポイントとなったことが幾...
日本の美意識

西行「山家集」春の章より桜歌10首

西行「山家集」春の章は全173首のうち103首が桜の和歌。 昨日のポカポカ陽気に誘われて、桜の和歌を10首編集してみた。 この時代の桜にはすでに花見という行事はあったようで、 (花見&お酒セットの最古...
日本の美意識

西行「山家集」の月恋歌より10首

経済系の学問が過去の数字を説明しているだけと悟って以来、 日本を読み解く方法を歴史の中に探し求め続ける日々。 今年の春、日本人が桜へ込めた想いを追っていくなかで、 日本の文化・精神史における転換点にい...
古典に学ぶ人生論

行方も知らぬわが思ひかな-西行、最期の旅

東日本大震災の直後、こんなニュースが目を引いた。 奈良・東大寺が銀行から1億円を借り入れて寄付。 大仏建立時や鎌倉期の復興の際、東北にお世話になったからと…。 平安時代の末期、平清盛により焼き討ちにあ...
日本の美意識

西行、日本の桜観を変えた漂泊の歌人

平清盛と同年に生まれ、貴族社会と武家社会の間に生きた西行は、 日本の文化史・精神史における転換点を演出した偉人だった。 私が特に注目した西行の偉業は次の2点。 無常観が仏教を離れた瞬間 桜に人生を重ね...
お薦めの本

白洲正子「西行」

独断と偏見で「日本を創った偉人」を選んで簡潔にまとめて紹介する。 そんな野望があり、昨年末から足利義政と紀貫之の編集を試みた。 次は「西行」に挑戦すべく、関連本をかき集めて頭の整理中。 もともとは鳥羽...
日本の美意識

西行、月の歌-「山家集」より

西行の和歌集「山家集」をついに手に入れた。しかも350円で♪人と自然を愛し、いかに無常を生ききるかを詠った西行の和歌。こんな素晴らしい逸品が、絶版で入手困難なんて困ったものだよ。 西行といえば桜の歌が...
日本の美意識

桜の語源と西行の和歌

青山墓地で桜を観賞。生死の境界線に桜。西行の和歌を思い出しながらぼんやり。 ねがはくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月の頃 ふと、桜の語源を調べたくなり、自宅に帰って本棚をゴソゴソ。2つの...