めくるめく和歌の世界

紀貫之、水底に写る情景を詠む。

新年を迎えると、なんとなく和歌の気分なので、紀貫之の和歌集「貫之集」を手に入れ、パラパラ読んでいる。 約6割が屏風歌 貫之集は全9巻に分かれており、そのうち4巻が屏風歌。屏風に描かれた情景を歌題に詠んだ和歌が全体の約6割を占める。 そ...
NO IMAGE 百人一首

七草の習慣が庶民に広がるのは平安末期?/百人一首15「若菜摘む」

君がため 春の野に 出でて若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ 百人一首に収録される光孝天皇(830~887)の和歌。 意味を知らずに読むとなぜ天皇が葉を摘んでいるのか?となるが、実はここでの「若菜」とは今でいう「春の七草」のことを指...
食文化とグルメ

髙橋拓児の軽やかおせちに挑戦!/きょうの料理2016年12月号

今年のおせち料理は昨年末にNHKきょうの料理で放映されていた京都 木乃婦の髙橋拓児さんのレシピ13品から8品を以下の再現。3人で2日間かけて所要時間は約8時間。 祝い煮しめ たたきごぼう ごまソースあえ 栗葛餅 鶏肉のさんし...
NO IMAGE 食文化とグルメ

2016年 美食の旅

今年も美味しいものをたくさん食べた。私にとって2016年は「天ぷら」の年だったかもしれない。 5月に早乙女哲哉さんの「みかわ是山居」を訪れるにあたり、いつもの病気が出て天ぷらの歴史を調べ倒し、 天ぷらの歴史と名店の系譜を調査中。 ...
NO IMAGE お薦めの本

気象予報士が読み解く平安時代/石井和子「紫式部の暗号」

その道の専門家が読み解いた書物よりも、純粋に感動した他分野の専門家が語る方が魅力が伝わるのだろうか? 石井和子「紫式部の暗号」 源氏物語には正直これまであまり興味のなかったのだけど、気象予報士に気象描写がスゴい!と言われて興味がわい...
世界の名言・名文

早乙女哲哉「天ぷらは時間、間、呼吸、と小さく刻んだ時を食べる物」

6月に早乙女哲哉さんの古稀記念講演会を聴いて以来、もう一度食べに行きたかった「みかわ是山居」へ。今回はおまかせコースを食べたらこんなお品書きをもらった。 この裏には早乙女さんの天ぷらにかける想いがしたためてある。「天ぷらは時を食べる物...
日本の歴史と文化

狛犬はいつから寺社を守るようになったのか?/塩見一仁「狛犬誕生」

塩見一仁「狛犬誕生」。図書館でふと手にとった狛犬マニアの高校教師が書いた一冊。 高麗犬とも書かれることのある狛犬は、6世紀に仏教伝来と共に仏の守護獣「獅子」として日本に伝わった。文学の中には平安時代から現れ始め、たとえば清少納言「枕草子...
日本文化探究の旅

新原・奴山古墳群を訪ねて(福岡県福津市)

福岡で新原・奴山古墳群を観賞してきた。宗像大社の近くの古墳をということで深く調べもせずに立ち寄ったが、50基近い古墳が現存する福岡県内でも有数の古墳集中地帯だったようだ。 地面の膨らみを見つけると、なんだか古墳に見えてくるね。と笑って...
NO IMAGE 食文化とグルメ

会席料理と懐石料理の違い/髙橋拓児「和食の道」

会席料理と懐石料理。同じ和食で読み方も同じ。何が違うのかふと気になった。大辞林で調べてみると、 かいせき【会席】 何人かの人が集まって寄り合う会合・宴会などの席。多く、連歌・俳諧・茶の湯などの席。 「会席料理」の略。酒宴...
食文化とグルメ

コクとは何か?

料理人の語るコク メトロミニッツ No.167 で様々な料理人が「コク」について語っている。代表的なコメントを引用すると、 「単一な味わいのさらに奥にある、食材の個性が凝縮されたもの。料理人の経験によって得られる「技術の積み重ね」と...
NO IMAGE お薦めの本

懐かしの味は香りの記憶/伏木亮「味覚と嗜好のサイエンス」

土瓶蒸しの松茸の話から引き続き、香りと脳科学について調べている。伏木亮「味覚と嗜好のサイエンス」にこんな記述があった。 「においの記憶は確かで変質しません。味は舌から延髄、大脳各部位といくつも神経を乗り換えて眼窩前頭皮質でにおいの信号...
食文化とグルメ

菊乃井の村田さんが語る、正しい松茸の土瓶蒸し。

結婚記念日に赤坂・菊乃井で晩ご飯。 京都の本店と赤坂店を往き来する村田吉弘さんが、赤坂店に立つ日に当たり、松茸の土瓶蒸しについて教わったことをメモ。 松茸の土瓶蒸しの由来は、 松茸の産地丹波の郷土料理が原点。 土瓶に松茸を入れ...
お薦めの本

木乃婦主人、髙橋拓児が語る八寸、造り、御椀の美学

テーマに興味がある時に参加している「脳の世紀シンポジウム」。今回は「食と脳」がテーマだから、私が行かなくて誰が行く?! 特別公演は京都の料理屋「木乃婦」主人の髙橋拓児さん。 2013年出版の著書「10品でわかる日本料理」は素晴らしく、一...
日本の歴史と文化

縄文土器から弥生土器への変遷は世界共通

複雑な文様の縄文土器からシンプルな弥生土器へ。古代人の美意識の変化に、日本的な美学の芽生えがあるのでは?今までは以下のような日本文化の特徴と同列に捉えようとしていた。 神に対する感覚…「いる」と感じた時に「心」の中に神がいる 和歌...
日本の歴史と文化

宮沢賢治 月の歌

昨日8月27日は宮沢賢治(1896~1933)の生誕120周年だったそうだ。 それに合わせて私もかじった程度に賢治の作品を調べてみると、 月にまつわる童話や詩、短歌がたくさん残されていることを知った。 賢治は月を「月天子」と呼び、な...
日本の美意識

中秋の名月よりも九月十三夜の月を愛でる

以前、古今和歌集に中秋の名月の和歌がないことに気がつき、竹取物語に絡めて、当時の月のイメージが原因では?と考えた。 中秋の名月を詠わない古今集。月が不吉な竹取物語。 付け加えるなら、そもそもこの頃の日本には月見の習慣なく、唐では八月...
NO IMAGE 日本の美意識

十六夜の月はためらいながら夜空へ

中秋の名月を前に月の古典をいろいろ調べていたら、満月の翌日の十六夜にまつわる認識がおもしろかった。 十六夜は「いざよい」と読む。これにまつわる目に止まった古典を2つ引用すると。 まずは源氏物語の夕顔より。 「いさよふ月に、ゆくりな...
日本の神様と昔話

世界神話の母型から見た日本の神と昔話

ジョゼフ・キャンベルがつきとめた英雄伝説の母型 世界中の英雄伝説にはたった一つの母型があることをつきとめた、アメリカの神話学者、ジョゼフ・キャンベル(1904~1987)。 ちなみに学生時代にキャンベルの授業に刺激を受けて、ジョージ・ル...
めくるめく和歌の世界

夏越の祓の和歌

旧暦の6月30日、現在の8月上旬~中旬に行われた 「夏越の祓」(なごしのはらえ)。 気候的にはちょうど今ごろ行われた行事だ。 本来は「年越の祓」とセットで、 水無月の 夏越の祓い する人は 千歳の命 延ぶといふなり と詠まれたよう...
NO IMAGE 西行「山家集」

西行「山家集」より真夏の夜の月

暑い日が続くので涼しさが感じられる和歌を探してみた。西行「山家集」から夏の月歌を4首ほど。 涼を求めて泉で出会った月を詠む むすびあぐる 泉にすめる 月影は 手にもとられぬ 鏡なりけり むすぶ手に 涼しき影を 慕ふかな 清水に...