食文化とグルメ

奈良で蕎麦の求道者に出会い、江戸時代の「蕎麦全書」を読む。

奈良の旅で一番の美味は意外にも蕎麦だった。 「玄(げん)」で食べた一日二組限定の「蕎麦遊膳」 ご主人の蕎麦への深い愛が感じられる素晴らしい料理の数々。 ここまでのレベルに到達しても、「東京でおすすめの蕎麦屋を教えてもらえません...
日本文化探究の旅

卑弥呼の墓?の箸墓古墳。その名の由来は日本書紀に。

今回の奈良旅で一番楽しみにしていたのが箸墓古墳。事前に古墳の本を読みあさって予習までしてしまった。 箸墓古墳が卑弥呼の墓である根拠は?/白石太一郎「古墳からみた倭国の形成と展開」 ちなみに箸墓古墳を含むこの地域の遺跡の全体像を知るた...
日本文化探究の旅

東大寺を訪れたら転害門を見逃すな!

東大寺では大仏殿が外国人観光客を中心に喧騒の真っただ中にあるが、天平時代の創建当時の姿が拝める「転害門」は静寂につつまれている。 東大寺のなかで平重衡(1180年)、松永久秀(1567年)による戦禍を免れたのは、この転害門ほかには法華...
百人一首

長谷観音に願いをかけて/百人一首74「初瀬の山おろし」

うかりける 人を初瀬の 山おろし はげしかれとは 祈らぬものを 金葉和歌集の撰者、源俊頼(1055~1129)の一首。 初瀬は現在の奈良県桜井市の地名でもあり、この地の長谷寺に祀られる十一面観世音菩薩は古来より信仰の対象。ここの菩薩...
NO IMAGE 日本文化探究の旅

なんだかもどかしい古都奈良の現状

5泊6日の奈良旅で訪れた主な名所は訪れた順に以下のとおり。 興福寺 唐招提寺、薬師寺、法隆寺 箸墓古墳、大神神社 飛鳥寺、石舞台古墳、高松塚古墳、吉野山 橿原神宮、當麻寺、長谷寺、春日大社 東大寺 個々の話はもらってきた資...
お薦めの本

箸墓古墳が卑弥呼の墓である根拠は?/白石太一郎「古墳からみた倭国の形成と展開」

私が子どもの頃に習ったものとはだいぶ変わった日本の古代史。奈良に旅立つ前に古墳についていろいろ調べているのだけど、 前方後円墳発祥の纏向遺跡/英雄たちの選択 新春SP 前方後円墳を中国・朝鮮の古墳と比較すると…/森下章司「古墳の古...
お薦めの本

黄金に輝くだしの歴史・文化・科学/伏木亮「だしの神秘」

以前読んだ同じ著者の食の科学に関する本が面白かった。 懐かしの味は香りの記憶/伏木亮「味覚と嗜好のサイエンス」 今回は「だし」に絞って、より一般向けの内容になっている。書き留めておきたい内容をメモしておこう。 だしとうま味の人間の...
NO IMAGE 新古今和歌集

藤原定家の桜歌/拾遺愚草より10首

腰が壊れて動けなくなった時に(実は未だに完治せず…)、藤原定家の自選和歌集「拾遺愚草」をタブレットで読んでいた。※このサイトでPDF版がダウンロードできる! まもなく桜の時期がやってくるので、目に止まった定家の桜の和歌を10首ほど選んでみ...
NO IMAGE 日本の歴史と文化

藤原伊房。公文書偽造に密貿易とやらかし放題。

古今和歌集には「よみ人しらず」を隠れ蓑にして、紀貫之ほか撰者の自作の和歌が収録されているのでは?というのが昨日の話。 古今和歌集の見事な編集術。その裏にはよみ人しらずの陰謀? これについて調べていたら似たような話があり、勅撰和歌集の...
NO IMAGE 古今和歌集

古今和歌集の見事な編集術。その裏にはよみ人しらずの陰謀?

未知の情報が世にあふれると、いかにその情報を編集し、知を体系づけたくなるのが、私たち人間の性なのだろうか。 ルネサンス期のヨーロッパでは、 宗教的な抑圧から解放された知 東ローマ帝国滅亡で流入した古代ギリシア・ローマの知 航...
文化で読む日本経済

家計貯蓄率の国際比較 1987~2016年

OECDのデータを紹介したこの記事が引用されることが多いので更新。前回は1994~2013年の20年間をピックアップしていたが、今回は日本がバブルだった頃も含まれる30年間に幅を広げてみた。 主要先進国の家計貯蓄率の推移をグラフにして見て...
NO IMAGE 万葉集

白村江の戦い、壬申の乱を詠わない万葉集

手当たり次第に万葉集の関連図書を読んでいてふとした疑問。 万葉集がカバーする年代の初期の大事件、 白村江の戦い(663年) 壬申の乱(672年) にまつわる歌が一首しか見当たらないのはなぜだろう? 熟田津に 船乗りせむ...
NO IMAGE 日本の歴史と文化

藤原定家「明月記」の名の由来

古典に興味を持つ前から藤原定家の日記「明月記」を知っていた。 地球では数百年近く観測されていない超新星爆発についての記述があり、星空観測の記録として天文学の分野で世界的に貴重な資料なのだ。 そんな私の認識や「明月記」というタイトルのイメ...
NO IMAGE 食文化とグルメ

瀬戸内海を救った牡蠣の浄化力。美味しさには山の栄養分が不可欠。

貝塚から殻が発見されるほど昔から食べられていた牡蠣。昔は沿岸の岩場にたくさん生息していたようで、浜に牡蠣の殻が転がっている様子が古事記に詠われる。 夏草の あひねの浜の 牡蠣貝に 足踏ますな 明かしてとほれ 「里海資本論」を読んでい...
NO IMAGE 日本の歴史と文化

廃仏毀釈という名の宗教戦争。奈良・興福寺の荒廃。

日本の美術史を追っていくと、特別大きな事件は、明治維新後に起きた「神仏分離」と「廃仏毀釈」。 この時、奈良興福寺の僧たちは春日神社の神職にされ、廃寺同然となった興福寺は荒廃、境内は鹿が遊ぶ奈良公園になる。現在では国宝の五重塔が250円で...
NO IMAGE 食文化とグルメ

長寿の秘訣は洋食より和食!「自叙 益田孝翁伝」

三井物産初代社長の自叙伝「自叙 益田孝翁伝」。茶人としても高名で鈍翁と号した数寄者としても知られる。 食事に気をつかうことが長寿(満90歳で死去)の秘訣だったのだが、そのきっかけが豚の飼育だったというのが興味深い。 「私は余程前から...
日本の歴史と文化

前方後円墳を中国・朝鮮の古墳と比較すると…/森下章司「古墳の古代史」

古墳の形状の変遷 先日まとめたテレビ番組「英雄たちの選択」では、 前方後円墳発祥の纏向遺跡/英雄たちの選択 新春SP 後の時代の古墳の形状の移り変わりについても紹介されていた。 蘇我稲目(?~570年)の墓とされる都塚古墳は...
NO IMAGE 万葉集

万葉人の桜/百人一首61「奈良の都の八重桜」

いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな 藤原道長の娘で一条天皇の中宮・彰子に仕えた歌人の一首。奈良から宮中(九重)に献上された八重桜を愛でている。 平安時代には京都では八重桜は珍しかったようで、鎌倉時代の兼好法師...
NO IMAGE 日本の歴史と文化

前方後円墳発祥の纏向遺跡/英雄たちの選択 新春SP

正月に放送されたNHK-BSの「英雄たちの選択 新春SP」がかなり面白かった。今年は奈良へ旅立つこともあり、メモを取りながら鑑賞した。 奈良県桜井市の纏向遺跡は前方後円墳発祥の地と言われ、近年の発掘調査でこの国の初めての都市が誕生した地で...
NO IMAGE 万葉集

神の山になびく洗濯物?/百人一首2「天の香具山」

春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山 持統天皇(645~702)の一首で、万葉集(巻1・28)に収録されている。 この時代の都は現在の奈良県橿原市の藤原京にあり、そこから東に香具山、北に耳成山、西に畝傍山の大和三山...