日本の歴史と文化

日本の美意識

足利義政、月へ逃避した美学の英雄

京都東山の慈照寺(銀閣寺)を造営した室町幕府8代将軍、足利義政。 義政を中心に展開した東山文化は、日本文化史において最も重要。 でも、義政を学びたくても、書かれた本はとても少ない悲しさ。。。 応仁の乱...
日本の美意識

日本の美意識は富や権力への反逆から

日本の美意識は「無常→数寄→幽玄→わび・さび」と流れている。 この系譜に時の権力の移り変わりを合わせると見えてくること。 富や権力に取り憑かれた、時の権力者への反逆から生まれたのでは? 満ちては欠ける...
文化で読む日本経済

名刺を偏愛する日本の心

名刺交換の儀式になじめない。 最近はカタカナの肩書きも多く、何の仕事をしてる人か分からないし、 後でその人のことを詳しく知りたくなっても、何の情報も載ってない。 私にとっては、会社の社長以外の名刺は、...
日本の美意識

日本人が扇子に折り込んだもの

日本の歴史上、最初の技術革新は扇子。(だと思ってる)7世紀に中国から伝来した「うちわ」を8世紀頃、扇子に進化させた。 自動車やウォークマン、携帯電話をはじめとする産業製品から、正月のおせち料理やお弁当...
日本の美意識

西行、月の歌-「山家集」より

西行の和歌集「山家集」をついに手に入れた。しかも350円で♪人と自然を愛し、いかに無常を生ききるかを詠った西行の和歌。こんな素晴らしい逸品が、絶版で入手困難なんて困ったものだよ。 西行といえば桜の歌が...
東日本大震災

日本のCSR活動は自然災害から

最近、休日の10時~某所スタバで取材を受ける、ってことが続いてる。今日は日本企業のCSR活動はどうあるべきか、なんてことを話す中で、なんとなく頭がまとまりかかったことがあるのでメモメモ。 日本の企業は...
日本の美意識

日本庭園と和歌の二重らせん

龍安寺を代表とする枯山水庭園を調べると、禅との関わりの深さを知る。その創始者とされる、夢窓国師の山水思想を紹介したとおり。でも、もう少し時代をさかのぼると、違う姿が見える気がする。 平安時代の寝殿造庭...
日本の美意識

あいまいこそが日本の美徳

引き続き、道元「正法眼蔵」を読み、「即心是仏」の章から。心と仏の間に境はなく(即心是仏)、心と自然・宇宙の境もあいまい。 「もし人、心を識得せば、大地に寸土無し。」 もし真実の心を悟ると、天地は崩壊し...
日本の美意識

道元「正法眼蔵」と枯山水をつなぐ

枯山水の背景を追いかけたら、禅僧・夢窓国師の山水思想に行き着き、禅の歴史をさかのぼったら、道元の山水一如の精神があらわれた。そんな流れで道元が遺した大著「正法眼蔵」に手をつけてしまった。 まずは表題に...
兼好法師「徒然草」

人の心はうつろいやすい/徒然草26段

人の心はうつろいやすい…。しみじみと感じたとき、徒然草の26段が深い。 「風も吹きあへずうつろふ、人の心の花に、馴れにし年月を思へば、あはれと聞きし言の葉ごとに忘れぬものから、我が世の外になりゆくなら...
お薦めの本

1900年前後の日本の葛藤

明治維新以降、戦争と経済、2つの手法で大きな物語を追いかけた。私が中学に入学した頃から、「失われた~年」がはじまって、いい時代は知らないから、なんか拡大志向が日本にあわない気がする。 今の私たちとは、...
日本の美意識

自然美の上に風情をめぐらす

日本の景観美を表す言葉といえば「花鳥風月」や「雪月花」。桜(花)や月については、和歌等をからめつつ、いろいろ書いたけど、「風」は目に見えないし、何を言い表しているのか、つかみどころがない。でも、日本語...
食文化と美食探訪

ミシュランガイドの星の推移や国際比較(2011)

2007年11月に「ミシュランガイド東京」発売されて以来、国内での調査対象が徐々に広がり、星を獲得するお店が増えている。東は横浜・鎌倉、西は京都・大阪・神戸(次回は奈良が加わる)まで。 でも、日本人の...
食文化と美食探訪

美食ブランドの創業年が固まってる

私にとっては、玉川高島屋にあるパン屋さん、という認識だけど PECK (1883年創業・イタリア) FAUCHON (1886年創業・フランス) PAUL (1889年創業・フランス) なんでこんなに...
日本の歴史と文化

キャッチコピーに「地球」はやめませんか?

NPOにかかわっていると、いろんな団体の情報を目にするんだけど、これはちょっと…、と首をひねりたくなるキャッチコピーによく出会う。 「地球を守る」「地球を救う」「地球を壊す」などなど… 昔からこの手の...
日本の歴史と文化

道元と雪舟が進めた「中国離れ」

前回に引き続き、大学院進学の相談話から。留学も検討とのことだったから、今は円高だからお得だよね。でも今さらアメリカはどうなんだろ?とモヤモヤしながら、鎌倉~室町時代に日本文化の基礎を築いた人物の話を少...
日本の美意識

数寄者とは?/茶人の名言に学ぶ

意味も分からず、突然「数寄者」になりたい!と思った。「数寄」は、茶道によく出てくるようなので、茶人のことばに学んでみた。 千利休 「なるはなしならぬはなさず成ままにすく数寄者こそすきのすきなれ。」 で...
文化で読む日本経済

虹立つところに市を立てる

網野善彦「日本の歴史をよみなおす」をたまに読み直すとおもしろい。 P57-58のあたりに、平安時代には虹が立つと市を立てる慣習があり、虹は、あの世とこの世、神の世界と世俗との架け橋だから、そこに市場を...
文化・思想に潜む「禅」

負が介在する山水の系譜

枯山水は、あえて水をなくすことで、水を感じさせる逆転の模写が特徴。それは禅の「無」じゃなくて「負」、すなわち「引き算の美学」なんだ。というおもしろい視点が、松岡正剛「山水思想」P407~408にある。...
文化・思想に潜む「禅」

夢窓国師の山水思想

去年は3度も京都を旅したのに、西芳寺の庭園をまだ見たことがない。事前に拝観の予約が必要で、計画性のない私にはキビシイ…(涙)西芳寺には庭園を作庭した夢窓国師のこんな漢詩が残されてるとか。 仁人自是愛山...