日本の歴史と文化

食文化と美食探訪

2021年の美食探訪

ますます外食の機会が減った2021年。過去5年の推移を調べるとこんな感じ。 このうち3分の1は、徒歩圏のレストランでの食事。 そして徒歩圏に含まれない3分の1は馴染みの料理屋の個室で、 という引きこも...
めくるめく和歌の世界

失われた言葉がもつ音楽性。神名、梁塵秘抄。

文字や文章を声に出して読むことはほとんどない。小学校の国語の授業か、カラオケが好きな人が歌う時ぐらいだろうか。歌詞は忘れてしまったが、音楽は覚えているようなこともたびたびで、私たちの脳内では、文字と音...
お薦めの本

日本のクリスマス騒ぎは国を守るための祭り?

今がシーズンということでクリスマス関連の本を手に取った。 堀井憲一郎「愛と狂瀾のメリークリスマス」 序章のこの一節が気になり、一気に読んだ。 「キリスト教を背景にした西洋文明は、自分たちと同じルールで...
食文化と美食探訪

らぁ麺 飯田商店の損得勘定が気になった

湯河原のラーメン屋「飯田商店」を初訪問。 本当に久しぶりにラーメン屋で美味を堪能した。 お店の収益構造が気になったので思い出してみた。 週5日営業 営業時間11~15時(1時間ごと入れ替えで4回転) ...
食文化と美食探訪

京都の料理人が定めた飲食店の安全基準

今月初めに視聴した和食文化学会のセミナーで、菊乃井や瓢亭、木乃婦などの京都の名だたる料亭が共同で、独自の安全基準“Chef's Criteria of New Normal”を策定したことを知った。 ...
日本の歴史と文化

縦書きと横書きの脳の働き方の違い

本を読むときは縦書きの方が読みやすいように感じるが、文章を書く、というかキーボードで打つときは基本的に横書き。電子書籍のときは一太郎でわざわざ縦書きにして文章を作るが、手書きの縦書きとはかなり性質を異...
西行「山家集」

中世の月食は不吉。でも西行は月が好きだから見たい!

先日の皆既月食は空が雲に覆われていてまるで見えなかった。 外に出れば見えるかな?と図書館へ本を返却するついでに出かけてみると、多摩川の堤防の上に人があふれていた。昔の人があの光景を目にしたら、さぞかし...
お薦めの本

コース料理の価格をどうするか?/専門料理2021年6月号

料理人向けの月刊誌「専門料理」。料理をいただく立場の私にとっても、目を引く特集の月は買っている。 最新号の特集では、コース料理の価格設定の裏側が明かされている。 開業以来の価格の変遷が分かるコーナーも...
食文化と美食探訪

美味しさには「ひとてま」は洋食の幻想?

投資の世界は、努力と成果が正比例することはめったになく、論理の積み上げよりも直感勝負で、半分くらいは運次第と思ってる。 だから自分で料理を作るようになって間もない頃は、手間をかけた分だけ美味しくなるこ...
食文化と美食探訪

地産地消の定義(日本サステイナブル・レストラン協会)

昨日、日本サステイナブル・レストラン協会(SRA)のセミナーを視聴していて、地産地消の定義って距離で表すとそうなるんだ、と思ったけど、よくよく地図を確認してみると、なんだかモヤッとしてしまった話。 「...
食文化と美食探訪

高級食パンより売れて欲しい、ラ・テールの角食パン北海道「ゆめきらり」

昨日たまたま購入した食パン(1斤302円)の背景が素晴らしく、高級食パンで行列に並んでいる場合じゃないぞ!という話。 その食パンというのが、 ラ・テールの角食パン北海道「ゆめきらり」 ウェブサイトだけ...
日本の歴史と文化

古代の森林破壊の象徴。東大寺、松茸文化、田上の禿。

日本史上、最初の森林破壊は飛鳥・奈良時代にはじまったようだ。 法隆寺(607)から東大寺(758)までの間に、巨大寺院や大仏の建造が続いたことや、平安京(794)までの度重なる遷都で(一説には木材資源...
百人一首

百人一首は記憶力ではなく教養を試されるもの

百人一首の本を見つけるとなんとなく買ってしまう。いったい何冊あるのか数えてみると、こんなにあった。 水原紫苑「百人一首 うたものがたり」(2021) 最果タヒ「百人一首という感情」(2018) 阿刀田...
食文化と美食探訪

日本料理×SDGs。プラスチックゴミと養殖魚。

先ごろ視聴した日本料理に関するオンラインセミナーで、SDGs(Sustainable Development Goals)に言及していたのでメモ。 和食文化学会シンポジウム 柴田書店オンライン日本料理...
美術鑑賞

静嘉堂文庫美術館の移転に思う

静嘉堂文庫美術館が今年閉館となり、展示ギャラリーが丸の内の明治生命館へと移される。 その沿革を追っていくと、もともと神田駿河台の岩崎家自邸内に創設したものを、1924年に世田谷区岡本へ移転して現在に至...
万葉集

令和の宴会後、大伴旅人が詠んだ梅歌四首

現在の元号「令和」は、太宰府、大伴旅人の館で開かれた宴会の様子が描かれた、「万葉集」巻五「梅花歌三十二首ならびに序」の序文から取られたことは有名。 梅の季節ということで、その梅の和歌32首に目を通して...
お薦めの本

畳敷きの和室を語ることのできる最後のチャンス?/松村秀一・服部岑生「和室学」

2013年にユネスコ無形文化遺産の登録された「和食」。これに尽力した菊乃井の村田吉弘さんは、登録を喜ぶのではなく、「遺産」ということは絶滅危惧種なのだという危機感を持つべき、という話をよくされている。...
新古今和歌集

梅と香と袖の連環/業平「梅の花香をのみ袖にとどめおきて」

伊勢物語の第4段の和歌といえば、古今和歌集の恋五の巻頭にも採られた一首が有名。 月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ わが身ひとつは もとの身にして 一般的に目にする伊勢物語は藤原定家(1162〜1241)...
古今和歌集

古今集「誰が袖ふれし宿の梅」とお香の文化

妻がお香をもらって、「たがそで?」「こきんしゅんじょう?」と何やら調べているので、もしや?と思ったら、 色よりも 香こそあはれと 思ほゆれ 誰が袖ふれし 宿の梅ぞも 古今和歌集・春歌上巻の和歌の話だっ...
日本の歴史と文化

江戸時代の学びに対する熱意

田中優子×松岡正剛の対談シリーズ第二弾「江戸問答」。 私塾や藩校の話の中で、大分県日田の「咸宜園」が、関東や東北からも門下生を5,000人近く集めたことを例に、 「江戸時代の学問の目的は聖人(立派な人...