日本の歴史と文化

日本の歴史と文化

菅原道真の和歌漢訳/グローバル化の日本史・2

当時の状況(無文字社会・人口構成)から考えると、 漢字と出会った日本人の行動が不思議、というのが前回の話。 漢字に独自の編集が加えられて誕生した「万葉仮名」をもとに、 平安時代には「仮名文字」へと変化...
日本の美意識

無常が日本の古典を美しくした/唐木順三「無常」

日本の無常の系譜を描いた名著、唐木順三「無常」。 でも絶版で古本の入手も困難だから、読みたくなるたびに図書館へ。 お願いだから復刊してよー、筑摩書房さん!※追伸…今はKindleで読める 「無常を語る...
日本の歴史と文化

漢字と出会った日本の選択/グローバル化の日本史

近年の日本は「グローバル化」という言葉を前にすると、 「グローバル化=海外のグローバル・スタンダードに合わせる」 ってイメージにとらわれ、自虐・思考停止になるのがよくないトコ。 本来、グローバル化には...
日本の美意識

「お客さまは神様」の文化的背景

神社に常駐する神はいない。 神がときおり訪れる際の仮の宿が神社。 (詳しい説明は原研哉氏の講演録が読みやすい) こんな日本の神の特徴を折口信夫は「マレビト」と呼んだ。 マレビト(客人・稀人)。つまり日...
日本の美意識

偶然の文化比較と九鬼周造「偶然と運命」

数学者が偶然や運命を計算で飼い慣らそうと必死だった歴史は、 ピーター・バーンスタインの「リスク」を読めば、なんとなく分かる。 では哲学者は偶然や運命をどう捉えていたのか? あるものが偶然と呼ばれるのは...
文化・思想に潜む「禅」

不足の美を完成させる禅芸術の7要素

禅は不思議だ。 腰を下ろして動かず(座禅)、布教活動に動き回ったりしない。  それなのに鎌倉・室町期の日本文化に与えた影響は大きい。 禅の山水思想は、枯山水や水墨画へと芸術に進化し、  やがて世阿弥の...
お薦めの本

歴史の道理を読み解く/慈円「愚管抄」

慈円(1155~1225)は平安末期~鎌倉初期を生きた、 当時の仏教界最高の地位(天台座主)にいた人物。 おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に 墨染めの袖 たとえ理想と笑われても、私はす...
食文化と美食探訪

北上する美味しいお米~身近な温暖化

なんか変だなぁ、と思うことを図にしてみた。 これも温暖化の影響のひとつ? 気温の変化については各地の気象台にデータがあるよ。 日本の各地域における気候の変化 もし今、私に子供がいたりしたら、北海道に別...
日本の美意識

和歌の連鎖で物語る・古今和歌集の編集術

「編集」に着目すると勅撰和歌集はすごい。 たとえば古今和歌集939-942の4首のかたまりが深い。 一首目は小野小町、残りはよみ人知らずによる和歌。 あはれてふ ことこそうたて 世の中を 思ひ離れぬ ...
日本の美意識

夢とうつつの古今和歌集…あいまいな日本の原点?

西洋的な善悪二元論の考え方との比較から、 自虐ネタとしてさらされる日本の「あいまいさ」。 でも私たちが金融危機やフクシマで痛感したことと言えば…。 現代社会の脅威は、あからさまな悪意を持つものではなく...
日本の歴史と文化

日本が尊敬していた中国とは一体?/儒教の観点から

日本が中国を心から尊敬し、学ぼうとしてきた期間は長い。 それなのに今は…。とてもじゃないけど尊敬の念を抱くのは無理。 儒教の五常(仁・義・礼・智・信)とか、どこ行っちゃったの? 中国を儒教の国と考える...
日本の歴史と文化

なぜ日本文化に関心を?/私とお金の転換点

投資から日本の歴史や文化へ傾倒していったのはなぜ? そう問われてなぜだろう?と自分でも分からなかったから(笑)、 昔のブログ記事を振り返っているうちに分かったこと。 2008年6~7月にその後の人生を...
古今和歌集

夢の歌人、小野小町/古今和歌集・恋歌の編集術

夢に迫るべく、フロイトやユングを読まなきゃと思いつつ、 いや夢なら明恵上人だ、などと考えながら少しも進まず…。 とりあえず小野小町の和歌でもまとめてみよう。 古今和歌集に小町の歌は18首あるが、そのう...
日本の美意識

「もののあはれ」と「をかし」/大野晋「古典基礎語辞典」

大野晋氏といえば「日本語練習帳」が有名だよね。 そんな日本語研究の大家、大野氏は2008年に亡くなったけど、 氏が自分の死後、できたところまでまとめて出版して欲しい、 と遺した作品が昨年出版された「古...
日本の美意識

自然を偏愛する日本人

お寿司系のお弁当に必ず入ってる緑色の「草もどき」。 橋などで見かけるコンクリートに着色した「樹木もどき」。 ふと気がつけば「自然もどき」が身のまわりにあふれている。 私たち日本人の自然の愛し方は実にヘ...
日本の美意識

一期一会の来歴/茶人・井伊直弼

茶道を表す有名な言葉といえば「一期一会」。 この来歴に意外な人物が登場するのはご存じだろうか? 村田珠光 → 武野紹鷗 → 千利休 と茶道の歴史は流れるが 紹鷗が茶会に招かれたときの心得として、 「一...
日本の歴史と文化

元号に「保」と「平」は使わないお約束が…

保元の乱(1156年)、平治の乱(1159年)を経て平清盛が台頭、 武家社会が到来する、という話が大河ドラマで進行中。 これ以後、京都は戦乱に巻き込まれることが頻発するけど、 当時はまだ都の中で戦闘が...
日本の美意識

はかなし/日本人が人生を発見したことば

日本人が人生の本質を発見したのはいつ頃のことか? こんな不思議な問いに答えるべく、過去の記事を総動員。 無常、あはれ、はかなし、とことばを軸に追ってみたい。 まず「万葉集」の和歌には神への捧げ物っぽい...
お薦めの本

寺田寅彦「天災と国防」

物理学者でエッセイスト。 おもしろい肩書き。 私が物理学に興味を持ったことで、ようやく出会った寺田寅彦。 関東大震災前後を生きた著者の自然災害に関するエッセイを 東日本大震災を受けて、12本ピックアッ...
お薦めの本

原発事故は科学の取り違えによる人災

たしかに原発事故は「人災」だ。 しかし原発事故調査委員会の言う「人災」ではない。 「当委員会は、本事故の根源的原因は歴代の規制当局と東電との関係について、「規制する立場とされる立場が『逆転関係』となる...