日本の美意識

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政治家には文芸の香りが必要

日本史上の人物の人気や評価を思い浮かべると…、なんか変。日本人が考える偉人、って政治的に偉い人ではない気がするんだ。 一番分かりやすい例が、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の比較。政治家としては明らかに「...
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幽玄(有限)の中に無限の美を見る

「あはれ」を調べたら、次は「をかし」へ行くのが王道なんだろうけど、気ままに日本を切り取ってるから、なぜか続けて「幽玄」が気になった。 幽玄の定義付けで、一番有名なのは、鴨長明が「無名抄」で示した 「詞...
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「あはれ」はなぜ悲哀化したのか?

まずは小野小町の和歌(古今和歌集939)。 あはれてふ ことこそうたて 世の中を 思ひはなれぬ ほだしなりけれ 「あはれ」と歌を詠まずにいられないから、この世にとどまりたい。現世で恋歌を詠って生き続け...
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「いろは歌」に込められた決意

誰もがいつの間にか知っている、「いろはにほへとちりぬるを…」。仏教思想や無常観が投影されている歌、と読み解くこともできるらしい。なるほど漢字を付して眺めると、平家物語の出だしに似ているかも。 色は匂へ...
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桜の語源と西行の和歌

青山墓地で桜を観賞。生死の境界線に桜。西行の和歌を思い出しながらぼんやり。 ねがはくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月の頃 ふと、桜の語源を調べたくなり、自宅に帰って本棚をゴソゴソ。2つの...
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不足の美/美意識と日本・6

不完全なもの、欠けた部分に美しさを見出すのが、日本的な感性。 吉田兼好「徒然草」「すべて、何も皆、事のととのほりたるは悪しきことなり。し残したるを、さてうち置きたるは、おもしろく、生き延ぶるわざなり。...
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「結び」に込められた想い

「結び」という言葉は、もとは「ムスヒ(産霊)」から派生した言葉で、あてられた漢字の通り、「霊力を生む」という意味がある。 日本の神話でも、「ムスヒ(ムスビ)」と名のついた神も多く、神社での注連縄(しめ...
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秘すれば花と不足の美-風姿花伝・茶の本・徒然草

能の大成者、世阿弥が書いた、能の理論書「風姿花伝」。内容は能楽論にとどまらず、日本の美学・美意識を知る上で重要な一冊。 専門家じゃないから分からないけど、1400~20年頃に書かれていて、それ以前の中...
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式年遷宮/美意識と日本・5 

昨日、今年2回目のスーツにネクタイの正装。ちゃんとしたカッコは滅多にしないので、ネクタイ締めるのにも一苦労…。せっかくだから、神社にお参りに行ってきたんだ。 ふと目に入ってきた境内の貼り紙。「伊勢神宮...
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善悪二元論のつまらなさ

食生活の変化も影響してるのかな、日本が変になっちゃってるとこ。テレビや新聞のニュース(特に政治)が、なんでも善悪の枠にあてはめすぎ。世の中はすごく複雑で、善悪二元論なんかで語れないのに。。。 なんでも...
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円高に無策の日本らしさ

昨今の円高に対して、政府・日銀の無策に批判が集まってる。でも、日本らしい行動なので、まぁ仕方ないか、とちょっと微笑んだりして。 まず日本は、リスクに対する考え方が、欧米とはだいぶ違うんだよね。 日本は...
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あいまいさ=「間」を大切にする心

投資と社会貢献の橋渡しって話には、もれなく「偽善」の疑いがついてくる?でも、そんなに白黒はっきりさせようと、がんばらなくてもいいじゃない。どこまでが本当に善い行いで、どこからが偽善か、切り分けられない...
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花鳥風月の「風」は見えない

日本には「花鳥風月」という言葉があるけど、「風」だけは目に見えない。そんなつかみにくい風を追いかけて、日本語には風にまつわる言葉がたくさん。 もちろん私が気になるのは、「風流」とか「風情」って方面の言...
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美意識と日本・4

日本文化を追っかけである私のお気に入りは、松岡正剛さんと原研哉さん。その原さんが関わる良品計画(無印良品)の株式に興味津々。 無印良品のブランドエッセンスは、やっぱり「シンプル」だよね。フランスでは「...
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和の伝統色/美意識と日本・3

太陽がまぶしい季節になり、同じ景色が梅雨とは違う色合いに見えてくる。日本の伝統色の名前をざっと見てみると(→和色大辞典)、植物や動物、食べ物の名前が混ざった色の名称が、やはり多い。日本に色の名称が豊富...
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日本に一貫性なんてない。それがなにか?

日本には国家戦略がないからダメ、みたいな話をよく見聞きするけど…。この国の歴史を俯瞰したとき、戦略らしいものが存在した時代はあったのかな? 「世界のどんな国民よりもふらふらきょろきょろして、最新流行の...
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美術館で日本を考える

五島美術館にて。ここには源氏物語絵巻や紫式部日記絵巻が所蔵されている。絵を見ていて、うにゃ?と思ったのが「家具がどこにもない」こと。貴族の屋敷なら、豪華な工芸品を飾る棚くらいあっても、と思うけど…。飾...
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美意識と日本・2

良品計画は、日本の美意識を世界に発信する、ありがたい会社なのでは?と最近、とても気になっている。(フランスでは「禅を感じる」と評価されているとか)このページの「無印良品からのメッセージ」が特におもしろ...
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美意識と日本

安倍晋三・元首相が「美しい国、日本」というスローガンを掲げたとき、なんじゃそりゃ?と失笑した。当時の自分の教養のなさを恥じるばかり… 最近になってようやく気がついたこと。日本、そして日本人にとって最も...
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桜と日本・2

先月初めに「桜と日本」という題で、思うがままに頭の中を編集してみた。少し気になることがあり、この1ヶ月間、桜に関する書物をいろいろ読んだ。 1. 花見×酒宴はいつからやってるの? 宴がひどく苦手。親し...