日本の美意識

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世界に発信された日本の桜観-武士道、茶の本

「読むべき日本の名作は?」という質問には引き続き、 1900年前後の葛藤の中で、英語で本当の日本を伝えようとした、 内村鑑三「代表的日本人」(1894年) 新渡戸稲造「武士道」(1900年) 岡倉天心...
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兼好の桜観/徒然草137、139、161段

「徒然草」の桜と言えば、真っ先に思い当たるのはこれだろう。 「花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは。・・・咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見どころ多けれ。・・・すべて月・花をば、さの...
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西行、日本の桜観を変えた漂泊の歌人

平清盛と同年に生まれ、貴族社会と武家社会の間に生きた西行は、 日本の文化史・精神史における転換点を演出した偉人だった。 私が特に注目した西行の偉業は次の2点。 無常観が仏教を離れた瞬間 桜に人生を重ね...
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法然、仏教を取捨選択したシンプルの求道者

枯山水庭園や長谷川等伯の「松林図屏風」、千利休の茶室。。。 余分なものを極限まで削ぎ落とし、シンプルを追求する。 そうすることで、限りあるこの世界に無限を演出するのが日本の美学。 こうした試みは日本の...
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月の姿が見えない竹取物語

「竹取物語」は「限りのない美と心」を表した日本の美意識の原点。 そんなツベタナ・クリステワの見解に誘われて、久しぶりに読んでみた。 「月」が絡んだロマンティックな物語と勘違いしてる人もたまにいるけど、...
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ツベタナ・クリステワ「心づくしの日本語」

外国人の語る日本論はいつもおもしろい。 「心」「和歌」「日本語」をキーワードに、日本の「あいまいさ」に迫る。 「虚空よく物を容る。我らが心に念々のほしきままに来たり浮かぶも、心という物なきにやあらん。...
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恋や生に通じる永遠の想い

「恋する時の人間の心は不思議に純になるのだ。人生の悲しみがわかるのだ。地上の運命に触れるのだ。」---倉田百三「出家とその弟子」P87 この人すごいな、ステキだな、と半ば羨望のまなざしで見つめてた女性...
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足利義政、月へ逃避した美学の英雄

京都東山の慈照寺(銀閣寺)を造営した室町幕府8代将軍、足利義政。 義政を中心に展開した東山文化は、日本文化史において最も重要。 でも、義政を学びたくても、書かれた本はとても少ない悲しさ。。。 応仁の乱...
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日本の美意識は富や権力への反逆から

日本の美意識は「無常→数寄→幽玄→わび・さび」と流れている。 この系譜に時の権力の移り変わりを合わせると見えてくること。 富や権力に取り憑かれた、時の権力者への反逆から生まれたのでは? 満ちては欠ける...
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日本人が扇子に折り込んだもの

日本の歴史上、最初の技術革新は扇子。(だと思ってる)7世紀に中国から伝来した「うちわ」を8世紀頃、扇子に進化させた。 自動車やウォークマン、携帯電話をはじめとする産業製品から、正月のおせち料理やお弁当...
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西行、月の歌-「山家集」より

西行の和歌集「山家集」をついに手に入れた。しかも350円で♪人と自然を愛し、いかに無常を生ききるかを詠った西行の和歌。こんな素晴らしい逸品が、絶版で入手困難なんて困ったものだよ。 西行といえば桜の歌が...
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日本庭園と和歌の二重らせん

龍安寺を代表とする枯山水庭園を調べると、禅との関わりの深さを知る。その創始者とされる、夢窓国師の山水思想を紹介したとおり。でも、もう少し時代をさかのぼると、違う姿が見える気がする。 平安時代の寝殿造庭...
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あいまいこそが日本の美徳

引き続き、道元「正法眼蔵」を読み、「即心是仏」の章から。心と仏の間に境はなく(即心是仏)、心と自然・宇宙の境もあいまい。 「もし人、心を識得せば、大地に寸土無し。」 もし真実の心を悟ると、天地は崩壊し...
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道元「正法眼蔵」と枯山水をつなぐ

枯山水の背景を追いかけたら、禅僧・夢窓国師の山水思想に行き着き、禅の歴史をさかのぼったら、道元の山水一如の精神があらわれた。そんな流れで道元が遺した大著「正法眼蔵」に手をつけてしまった。 まずは表題に...
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自然美の上に風情をめぐらす

日本の景観美を表す言葉といえば「花鳥風月」や「雪月花」。桜(花)や月については、和歌等をからめつつ、いろいろ書いたけど、「風」は目に見えないし、何を言い表しているのか、つかみどころがない。でも、日本語...
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数寄者とは?/茶人の名言に学ぶ

意味も分からず、突然「数寄者」になりたい!と思った。「数寄」は、茶道によく出てくるようなので、茶人のことばに学んでみた。 千利休 「なるはなしならぬはなさず成ままにすく数寄者こそすきのすきなれ。」 で...
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月も雲間のなきは嫌にて候

茶道の系譜は、村田珠光→武野紹鴎→千利休。侘び茶の創始者とされる村田珠光のことばがタイトルの「月も雲間のなきは嫌にて候」茶の湯の美意識を代表する名言の1つなんだって。 でもこれって珠光から200年さか...
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偶然の扱い方/歴史・文化から見る日本のリスク感覚・3

前回の「時の捉え方」に引き続いて、今日は「偶然の扱い方」について。ここは私がいったん投資の話をやめることにした理由のひとつかな。 西洋文化は当初から「偶然」に対して寛容ではなかった。ギリシア哲学は、世...
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時の捉え方/歴史・文化から見る日本のリスク感覚・2

初回はおおざっぱすぎたから、テーマを決めて少しずつまとめてみる。今日書いてみたいのは「時の捉え方」について。 頭の中をうまく表現できるか分からないけど…投資理論やMBAとか触れてみて感じた、欧米の時の...
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日本はいつも恋してた/九鬼周造「いきの構造」

最近、九鬼周造って哲学者がなんとなく気になって、少しずつ調べてる。織田信長に仕えた海賊大名、九鬼嘉隆の子孫で、母親が岡倉天心と不倫。なんかこれだけでも、どんな人だったのかな?って興味がわいちゃう。でも...