日本の美意識

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和歌の連鎖で物語る・古今和歌集の編集術

「編集」に着目すると勅撰和歌集はすごい。 たとえば古今和歌集939-942の4首のかたまりが深い。 一首目は小野小町、残りはよみ人知らずによる和歌。 あはれてふ ことこそうたて 世の中を 思ひ離れぬ ほだしなりけれ あはれてふ...
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夢とうつつの古今和歌集…あいまいな日本の原点?

西洋的な善悪二元論の考え方との比較から、 自虐ネタとしてさらされる日本の「あいまいさ」。 でも私たちが金融危機やフクシマで痛感したことと言えば…。 現代社会の脅威は、あからさまな悪意を持つものではなく、 善意ではじめたものが、何かの拍子で猛...
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「もののあはれ」と「をかし」/大野晋「古典基礎語辞典」

大野晋氏といえば「日本語練習帳」が有名だよね。 そんな日本語研究の大家、大野氏は2008年に亡くなったけど、 氏が自分の死後、できたところまでまとめて出版して欲しい、 と遺した作品が昨年出版された「古典基礎語辞典」。 用語解説...
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自然を偏愛する日本人

お寿司系のお弁当に必ず入ってる緑色の「草もどき」。 橋などで見かけるコンクリートに着色した「樹木もどき」。 ふと気がつけば「自然もどき」が身のまわりにあふれている。 私たち日本人の自然の愛し方は実にヘンテコだ。  花の色は うつりなけりな...
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一期一会の来歴/茶人・井伊直弼

茶道を表す有名な言葉といえば「一期一会」。 この来歴に意外な人物が登場するのはご存じだろうか? 村田珠光 → 武野紹鷗 → 千利休 と茶道の歴史は流れるが 紹鷗が茶会に招かれたときの心得として、 「一座建立」(主客の心が通い合う茶会...
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はかなし/日本人が人生を発見したことば

日本人が人生の本質を発見したのはいつ頃のことか? こんな不思議な問いに答えるべく、過去の記事を総動員。 無常、あはれ、はかなし、とことばを軸に追ってみたい。 まず「万葉集」の和歌には神への捧げ物っぽい印象を持っていて、 私の中では「バイキャ...
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ゾロアスター教の二元論vs日本の「間」

いつからか日本は極端な「善悪二元論」に走るようになった。 政治、原発などの難しい問題から、焼き肉屋のレバ刺しまで、 白黒はっきりつけることが正しいとは限らないのに。。。 「間」を大切にする心は一体どこへいってしまったのか? 善悪二元論の起源...
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雪舟、芸術へ進化する禅の山水思想

日本の文化史は応仁の乱前後で切り分けて説明されることが多い。 枯山水庭園についてもまた同じ。 応仁の乱の前…池泉庭園の一局部としての枯山水。 応仁の乱の後…庭全体が枯山水として独立、そして確立。 と作庭家で日本庭園研究家...
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日本文化形成のイメージ図

日本の文化、とくに美意識の系譜を探ろうと書いた最初の記事が、 桜と日本(2010/04/01) 追っかけをはじめて2年。 お風呂で突然、頭に浮かんだピラミッド図を整理すると… まず日本という国の最大の不思議は土台が「心」という部分。...
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花見と酒宴の歴史-桜の聖と俗

そうか。去年のように静かに桜を見上げることはできないんだね。 酔っぱらいと生ごみの狂宴が帰ってきてしまうのだ。。。 自粛ムードの中、静かに咲いた聖なる桜は、今年再び世俗に戻る。 今年は西行や梶井基次郎の桜への聖なるまなざしを紹介してきたけど...
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雪裏の梅花只一枝なり/道元「正法眼蔵」

前回、紹介した菅原道真の漢詩「月夜見梅花」から、ふと連環。 道元の「正法眼蔵」には「梅華」と題した章がある。 中国に禅を学びに行った際に耳にした、 「瞿曇、眼晴を打失する時、雪裏の梅花只一枝なり。」 (釈迦が悟りを開いた時、雪の中に梅の花が...
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桜に込めた豊作の祈り

作品社の「日本の名随筆・桜」を手に入れた♪ このシリーズはテーマ事、近現代のエッセイが読めておもしろい。 山本健吉「花」に興味をひく一節があった。「桜の花が注目されたのは、むしろ別の生活上の必要、つまりその年の穀物の豊凶を、その花の散りぐあ...
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月の日本史

「月は地球の近くにあったのに、だんだんわれわれから遠ざかっている。・・・われわれの遺伝子や脳には月がだんだん遠のいていったという古来の記憶が伝播されていて、それが月に対するはかなくやるせないおもいを駆り立てているにちがいない。」-松岡正剛「...
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世界に発信された日本の桜観-武士道、茶の本

「読むべき日本の名作は?」という質問には引き続き、 1900年前後の葛藤の中で、英語で本当の日本を伝えようとした、 内村鑑三「代表的日本人」(1894年) 新渡戸稲造「武士道」(1900年) 岡倉天心「茶の本」(1906年) をオ...
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兼好の桜観/徒然草137、139、161段

「徒然草」の桜と言えば、真っ先に思い当たるのはこれだろう。 「花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは。・・・咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見どころ多けれ。・・・すべて月・花をば、さのみ目にて見るものかは。」(137段) ...
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西行、日本の桜観を変えた漂泊の歌人

平清盛と同年に生まれ、貴族社会と武家社会の間に生きた西行は、 日本の文化史・精神史における転換点を演出した偉人だった。 私が特に注目した西行の偉業は次の2点。 無常観が仏教を離れた瞬間 桜に人生を重ね合わせる美学の完成 北...
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法然、仏教を取捨選択したシンプルの求道者

枯山水庭園や長谷川等伯の「松林図屏風」、千利休の茶室。。。 余分なものを極限まで削ぎ落とし、シンプルを追求する。 そうすることで、限りあるこの世界に無限を演出するのが日本の美学。 こうした試みは日本の歴史上、どこからはじまったのか? 縄文土...
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月の姿が見えない竹取物語

「竹取物語」は「限りのない美と心」を表した日本の美意識の原点。 そんなツベタナ・クリステワの見解に誘われて、久しぶりに読んでみた。 「月」が絡んだロマンティックな物語と勘違いしてる人もたまにいるけど、 かぐや姫の「心」の成長を描いた物語 ...
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ツベタナ・クリステワ「心づくしの日本語」

外国人の語る日本論はいつもおもしろい。 「心」「和歌」「日本語」をキーワードに、日本の「あいまいさ」に迫る。 「虚空よく物を容る。我らが心に念々のほしきままに来たり浮かぶも、心という物なきにやあらん。」(徒然草235段) 心に様々な思い...
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恋や生に通じる永遠の想い

「恋する時の人間の心は不思議に純になるのだ。人生の悲しみがわかるのだ。地上の運命に触れるのだ。」---倉田百三「出家とその弟子」P87 この人すごいな、ステキだな、と半ば羨望のまなざしで見つめてた女性が、 私の母と誕生日が同じことを知って、...