文化で読む日本経済

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貧困救済に対する冷たさは日本の歴史的特徴/木下光生「貧困と自己責任の近世日本史」

歴史は時に残酷な事実を突きつけることがある。木下光生「貧困と自己責任の近世日本史」がその代表例と言え、 「21世紀の日本は、なぜ、かほどまでに生活困窮者の公的救済に冷たい社会となり、異常なまでに「自己責任」を追求する社会となってしまったの...
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日本の「支払い」は「お祓い」だった/田中優子&松岡正剛「日本問答」

日本ではまだ投資が敬遠されているところがある。 もちろんそれは金融機関の販売姿勢にも問題があるけど、 義母が仕組債を買わされた。西日本シティTT証券がヒドい! 日本人の文化的・精神的な特性からその理由を読み解けないかなと。 以前、知...
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鎌倉・室町時代の不動産価格と金融政策

鎌倉・室町時代の不動産売買について調べてみたら、 当時の金融政策の迷走など、いろいろ広がったのでメモ。 現代と変わらぬ側面としては、 不動産価格は加地子(=小作料)の収益還元法で求められていたと想定される京都が位置する山城国が最も価格...
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奈良・平安時代に貨幣経済が定着しなかったワケ

日本で本格的に貨幣が鋳造されたのは8世紀前半。でも物々交換から貨幣経済へ以降を始めるのは14世紀頃。 なんでこんなに間が空いてしまったのか?その原因は急激なインフレと貨幣政策の失敗にあるようだ。 日本最古の貨幣は最近では富本銭と言われて...
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格差解消のための徳政令/岩波講座 日本経済の歴史

岩波書店から全6巻の「日本経済の歴史」の発行がはじまり、今月発売の第1巻(11世紀から16世紀後半)を読み始めた。 借金帳消しの「徳政令」は格差解消のためだったという話から、頭の中でいろいろつながったのでメモメモ。 日本が本格的に貨幣経...
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江戸女性が憂う経済倫理/只野真葛「独考」

江戸時代の日本の女性が知識レベルが高かったことは、幕末に来日したシュリーマンの旅行記にも現れている。 「教育はヨーロッパ文明国家以上にも行き渡っている。シナを含めてアジアの他の国では女たちが完全な無知のなかに放置されているのに対して、...
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家計貯蓄率の国際比較 1987~2016年

OECDのデータを紹介したこの記事が引用されることが多いので更新。前回は1994~2013年の20年間をピックアップしていたが、今回は日本がバブルだった頃も含まれる30年間に幅を広げてみた。 主要先進国の家計貯蓄率の推移をグラフにして見て...
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効率性への不感症は日本の伝統?/ツュンベリー「江戸参府随行記」

師匠が大雪の日の混乱について書いたコラムを読み、 私もこの痛ましいほどの出勤意欲を不思議に思っていた。 大雪の日に考えた~出勤トリアージュ(河口真理子) なんとか出勤しても疲れて仕事にならないだろうに、 ボロボロになってでも...
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古代日本は社会的投資の先進国家。だがその後は?

社会的投資の普及や研究を進める「ARUN Seed」の記事で、 日本の社会的インパクト投資は奈良時代から存在した?! ブログの過去記事を紹介してもらった。 この機会にその後考えたことを踏まえ、頭の中を編集し直してみる。 AR...
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地政学的要衝としての日田(大分)

江戸時代の幕府直轄領(天領)を眺めていて、 その多くは経済的な重要な地域としてピンとくるけど、 ここはなんでだ?と思ったのが大分の日田。 九州の内陸にあって特別、鉱山があるわけでもない。 調べてみると古代より交通の要衝だったようだ。 中国か...
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家康の夢が実現?/鵜飼秀徳「寺院消滅」

かつて仕事で付き合いのあった同世代の方が、 奥さんの実家のお寺を継ぐべくお坊さんの修行を始めたらしい。 彼のお寺はたしか都心だったから大丈夫だろう。 東京都の人口10万人あたりの寺院数は全国で3番目に少ないから。 だが地方では過疎化...
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時間の共有が日本の成功要因/角山栄「時計の社会史」

11時45分! 12時が迫ることに気付いたシンデレラは舞踏会を後にする。 「シンデレラ」は「眠れる森の美女」や「赤ずきんちゃん」とともに、 17世紀にシャルル・ペローがまとめたヨーロッパの民話。 この時すでに民衆には15分刻みの時間...
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日宋貿易の輸出品・輸入品

道元の「典座教訓」に描かれたシイタケの話から、 干ししいたけが日本の輸出品だったのかも?と調べてみたら、 日宋貿易の輸出品として登場していたことが分かった。 ※小川武廣「乾しいたけ」に記述あり。 その他の日宋間の輸出・輸入品を調べてみたとこ...
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日本人は昔から「おカネ」に執着(日本霊異記)

渡辺京二「逝きし世の面影」。 これがとんでもない名作であるがゆえに、 幕末以降、日本人の気高い精神性が失われた。 というような指摘をする人もいるけどウソ。 鎌倉時代の兼好法師「徒然草」 江戸時代の井原西鶴「日本永代蔵」 といった古典...
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無縁を望んだ象徴が神のかたち

無縁。 世俗と縁の切れた立ち位置は、かつての理想だった。 無縁は中世の理想郷/徒然草211段 どこの共同体にも属さず、主従関係などもない無縁。 ふと考えれば、それが日本人が神に託した形でもあった。 特定の場所に常駐することなく、たまに訪...
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幣(ヌサ)が雷を呼び、虹を渡って神がやってくる

古代の日本人は「音」にとても敏感だった。 漢字の音合わせ、なんてのは今でも続いているし、 万葉仮名の伝統。ラモス瑠偉、キラキラネーム… 長らく無文字社会だったため、 人が口から発する「音」に霊力が宿ると考えられていた。 言霊信仰/古事...
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倹約は創造的な努力/石田梅岩「都鄙問答」

現代の日本人は経営学というと、すぐにアメリカに目を向けてしまう。 でも日本には、アメリカ建国(1776年)以前に設立の企業が数多い。 たとえば日本の上場企業を設立が古い順ベスト3は、 松井建設(1586年) 住友金属鉱山(15...
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復興の勧進上人を誰が担うのか?

経済学の「効用」とはすなわち「欲望」のこと。 欲望の制御なくして経済社会の秩序と発展は成しえない。 経済学の祖、アダム・スミスが「道徳感情論」に描いたことだ。 そして欲望の制御と「宗教」とは密接に関わっていた。 長部日出雄「仏教と資本主義」...
NO IMAGE お薦めの本

中世日本の金融・商業と神仏との交わり

網野善彦「日本の歴史をよみなおす」。 3年以上前に買った本だけど、読み直すたびに発見がある。 多彩な切り口で日本に迫るところが魅力的。 日本社会の場合、金融の起源は「出挙(すいこ)」にあると指摘。 「出挙は、稲作と結びついており...
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貨幣経済の浸透が出家遁世を後押し?

日本でモノの交換手段がコメから貨幣へ変わるのが14世紀頃。 同時期の古典では、兼好法師(1283~1352)「徒然草」に、 お金をテーマにしたエッセイが見受けられる。 億万長者になるための5ヶ条/徒然草217段(12/04/17) 兼好...