めくるめく和歌の世界

百人一首

和歌の中の富士山/百人一首4「富士の高嶺に…」

富士山の噴火の最古の記録は781年なんだとか(続日本書紀)。 「天応元年七月癸亥駿河国言富士山下雨灰灰之所及木葉彫萎」 当時の富士山は今の桜島のように常に噴煙を上げていて、 小規模な噴火を繰り返しては...
万葉集

月の語源/時を司る月の神

月の語源は「時」から来ている、なんて話を読んだ。 「ツキ」と「トキ」。うーん…(笑) "Moon"の語源"motion"や"move"には近いか? そういえば万葉集の中に(985)、 古事記にも登場す...
日本の美意識

冬の夜空への想い。やがて「わび・さび」へ?

最近は中国から飛んでくるpm2.5の問題もあるけど、 冬は空気が澄んで夜空が綺麗に見える季節。 東京でもすぐにオリオン座が見つけられるほど。 昔の人は冬の夜空をどう見ていたのだろう。「十二月ついたちご...
お薦めの本

女性視点の平家物語/建礼門院右京大夫集

平家の栄華と滅亡を描いた「平家物語」が叙事詩なら、 「建礼門院右京大夫集」は抒情詩・平家物語と言える。 作者・建礼門院右京大夫の立ち位置は、 そして鴨長明や慈円とだいたい同世代だから、 「方丈記」や「...
万葉集

日本の伝統食「あゆ」は釣り占いの魚

今年も鮎(あゆ)を食べなかったな。 鮎は弥生時代頃から、日本人が好んで食した魚。 奈良時代の古典から「鮎」にちなんだ話題をいくつか。 古事記(712年)では神功皇后が朝鮮遠征の帰り道に、 佐賀県・玉島...
日本の美意識

古今和歌集・よみ人しらずの恋歌

詩の歴史上、他国にはない日本の和歌の特徴は、 時代の権力者やその栄華を讃えた歌がほとんどない わずか31文字に、ありったけの想いを込める 恋歌の多さが尋常ではなく、僧侶までが恋を歌う があげられ、とり...
古今和歌集

「君が代」は古今和歌集の和歌

古今和歌集に収録される歌の約4割が作者不明。 長い年月、多くの人々に歌い継がれるうちに、 最初は誰が詠んだのか分からなくなってしまった。 そんな歌が「よみ人しらず」の和歌として残されている。 実は現在...
私の人生観

隠居ではなく遁世と世俗の間へ

かつて「35歳で隠居!」と宣言し、その時が来た2013年。 実際に完全に捨てきることはむずかしかった。 鎌倉時代に漂白の旅と草庵に生きた数寄者・西行でさえ、 世の中を 捨てて捨て得ぬ 心地して 都離れ...
日本の美意識

月の満ち欠けにめぐり逢いを見る(新古今和歌集)

「恋・桜・月」は日本文化形成に不可欠な3点セットだった。 でも「月」が日本人の心の問題になった時期は遅く、 おそらく平安時代後期のあたりから、というのがこの記事。 日本はいつから「月」に目覚めたのか?...
日本の美意識

まほろば・うるはし・うまし/古代人の日本観

暑さゆえに移住の話をすると「どこの国へ?」と聞かれる。 私は日本より良い国はなんかあるわけない!と思ってるけど、 (とくに「食」の面で→ミシュランガイドの星の推移や国際比較) 世間一般にはどんよりした...
万葉集

柿本人麻呂の和歌で詠む七夕の心

織姫と彦星の七夕にまつわる星の伝説。 万葉集の時代には、すでに日本人の心をつかんでいて、 とくに10巻には98首もの七夕の和歌が並んでいる。 その中から柿本人麻呂が詠んだものをいくつか。 夕星も 通ふ...
万葉集

万葉集に描かれた食文化(海の幸)

最近、万葉集を読み始めた。 古今和歌集以降の和歌は月、恋、桜を中心に展開するけど、 万葉集は4,500首近く収録されることもあり、その情景もさまざま。 ここでは当時の食文化(海の幸)に関連しそうな和歌...
日本の美意識

古今和歌集・よみ人しらずの四季の歌

古今和歌集に収められている1100首の和歌のうち、 約4割が作者不明の「よみ人しらず」となっている。 作者不明と言われると、名歌ではないような気もするけど、 「よみ人しらず」に込められた正しい意味合い...
万葉集

万葉集、ツクヨミ(月読)の和歌

古事記では黄泉の国から逃げ帰ったイザナギノカミが、 川で禊をした際に3人の子供が生まれる場面が描かれる。 アマテラスオオミカミ(天照大神) ツクヨミノミコト(月読命) スサノオノミコト(須佐ノ男命) ...
お薦めの本

恋の和歌/日本の苗代を求めて

現在の日本を知るために歴史を読み解くという観点では、 応仁の乱以後だけで十分、って考えにも一理ある。 現代に通ずる日本の生活文化の原点は室町時代にあるから。 でもそれ以前にさかのぼるべき主題のひとつに...
日本の美意識

新古今和歌集の桜歌/無常と面影

古今和歌集(905)から時代を下ること300年。 鎌倉時代初期に完成したのが新古今和歌集(1205)。 桜の和歌に込められた想いを辿ると変わったなぁ、という印象。 古今和歌集の桜歌(13/03/18)...
日本の美意識

古今和歌集の桜歌

古今和歌集の桜歌を気ままに編集。 まずこの時代の代表的な桜歌といえば在原業平(古今集53)の 世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし 桜が散ってしまう事へのドキドキ感を表した名歌。...
西行「山家集」

パワースポットといえば、、、吉野山かな?

「日本のパワースポットといえばどこだと思いますか?」 「歴史の観点からすると奈良の吉野山かな。行ったことないけど。」 このあいだ、こんな会話を交わした。 歴史上、吉野山が重要なポイントとなったことが幾...
日本の美意識

西行「山家集」春の章より桜歌10首

西行「山家集」春の章は全173首のうち103首が桜の和歌。 昨日のポカポカ陽気に誘われて、桜の和歌を10首編集してみた。 この時代の桜にはすでに花見という行事はあったようで、 (花見&お酒セットの最古...
万葉集

言霊信仰/古事記を読む・4

無文字社会の古代日本では言葉の威力が極めて強かった。 人が口から発する「音」に霊力が宿るという考え方だ。 敷島の 倭の国は 言霊の 助くる国ぞ 真幸ありこそ (日本は言霊が助ける国。私が「ご無事で」と...