めくるめく和歌の世界

百人一首

立花宗茂と小野篁、日本史上稀な復活劇。

柳川藩主立花邸「御花」で結婚式をした。この地を治めていた立花家の別邸だった場所に、立花家16代が旅館と料亭の営業を開始し現在に至る。※挙式の担当者がなんと立花家18代目にあたる方だった。 立花家2代目...
西行「山家集」

桜をめぐる旅。花見は瀬戸内海がお薦め!

人生最長の7泊8日の長旅。ちょうど桜の満開時期に重なり、各地で桜を見ることができた。 花見にと 群れつつ人の 来るのみぞあたら桜の とがにはありける 今よりは 花見ん人に 伝へおかん 世を遁れつつ 山...
西行「山家集」

西行の「花に染む心」に共感をおぼえる

毎年、桜の咲く時期になると、 Google経由で西行の桜の和歌の記事が一番人気になる。 西行「山家集」春の章より桜歌10首 今一度読み返してみたら、今の心境にピッタリの一首がある。 花に染む 心のいか...
古今和歌集

紀貫之の桜歌/古今和歌集より10首

桜の季節が迫ってくると、 西行「山家集」春の章より桜歌10首 兼好の桜観/徒然草137、139、161段 枕草子に舞う桜/清少納言の桜観 といった記事にアクセスが集中する。 歌人や作者に絞った桜を眺め...
めくるめく和歌の世界

柴田勝家の辞世の歌。思いがけず教養豊かな一首。

柴田勝家というと猛将で無骨というイメージがあったから、 秀吉に賤ヶ岳の戦いで敗れ、自刃前に詠んだ歌に驚いた。 夏の夜の 夢路はかなき 後の名を 雲井にあげよ 山ほととぎす 夏の夜の夢のようにはかなかっ...
百人一首

陽成院の生きた時代/百人一首13「恋ぞつもりて…」

小倉百人一首13番目に収録される陽成院の和歌。 筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる 筑波山の峰から流れる男女川の水が集まり、 やがて淵となるように、 あるかないか小さな恋心が積...
日本の美意識

秋は夕暮れ。心の情景を和歌に詠む。

春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて。 言わずと知れた清少納言「枕草子」の季節感。 古今和歌集で特に美しい恋歌(484)、 夕暮れは 雲のはたてに ものぞ思ふ 天つ空なる 人をこふとて 遠い...
めくるめく和歌の世界

模倣と創造のあいだ。藤原定家の本歌取り。

創造は模倣から生まれるものだ。 でもどこまでが模倣で、どこからが創造なのか? 歴史・文化に答えを求めれば、 和歌の世界に「本歌取り」と呼ばれる技法がある。 百人一首の選者、藤原定家が得意としていた、 ...
西行「山家集」

和歌で読み解く、短冊以前の七夕の願いかけ。

毎年この時期に七夕の和歌を紹介してきた。 最近は歌人に着目して編集してきて、 柿本人麻呂の和歌で詠む七夕の心 紀貫之の和歌で詠む七夕の心 建礼門院右京大夫の和歌で詠む七夕の心 平安時代以降は顔を合わせ...
新古今和歌集

夢とうつつの境界線/荘子「胡蝶の夢」

夢とは何か? 脳科学の観点から説明すると、 日中の体験の整理や保管を行う作業が「睡眠」で、 その編集作業中の一部がかいま見えるのが「夢」。 夢は日中の覚醒した状態のオマケというところだ。 でも、荘子の...
古今和歌集

人生すべて恋のごとし。古今和歌集の編者が込めた想い。

昨年後半、哲学や社会学を探究する中で、 古代日本には哲学というものは存在しなかったが、 その代わりに、恋を通して世界を読み解こうとしていた。 私の中でそんな結論に達している。 恋をすると世界が違って見...
めくるめく和歌の世界

夢窓国師の桜歌/中世の美意識と尊氏讃歌

夢窓国師(夢窓疎石)。 鎌倉末期~室町初期を生きた臨済宗の禅僧で、 天皇から7つもの国師の称号を贈られた人物。 これまで枯山水や幸福論の文脈で紹介してきたけど、 夢窓国師の山水思想 夢窓国師の見た夢/...
百人一首

散る桜の和歌/百人一首33「静心なく花の散るらむ」

散り始めた桜。 その情景を詠った百人一首の和歌と言えば、 ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ 古今和歌集の撰者の棟梁、紀友則の一首。 上三句に穏やかな春の情景美を描く一方で、 下...
めくるめく和歌の世界

良寛の桜歌

良寛(1758~1831)というと「書」のイメージがある。 最近、北大路魯山人について調べていたせいかな。 魯山人は食より先に書の達人でこんな講演をしている。 「中国の書には外形の美はあるが、日本の能...
百人一首

小町が桜に込めた想い/百人一首9「花の色は…」

百人一首に収録された桜歌で代表的な和歌と言えば、 小野小町が詠んだこの歌だろうか。 花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に 美しい花もやがて散る…、私もおばさんになっちゃっ...
万葉集

万葉集、古今和歌集の星の和歌

そういえば子供の頃「欲しいものは何?」と聞かれると、 「星がたくさん見える空!」なんて答えていたっけ。 都会っ子ならではの感覚かもね。 もしも地球が雲や霧に覆われた惑星だったら? 私たち人類は夜空を彩...
万葉集

交差点、すなわち「ちまた」の万葉集

うまい表現ではないのだけど、 「知」の交差点の中央を押さえに行くこと。 それをイメージすることが重要だと思ってる。 リベラルアーツの交差点がアイデアの源泉 たくさん情報を出せば、良質な情報の交差点に立...
万葉集

坂道には神が宿る/山野勝「大江戸坂道探訪」

大江戸坂道探訪。 著者は日本坂道学会の会長、山野勝氏。 ちなみにこの学会2名で副会長はタモリさん。 たくさん歩いた方が頭の回転が良くなる気がして、 駅2つくらいの距離なら歩くことにしている。 そんな時...
古今和歌集

雪を見立てる古今和歌集、雪の白さを愛でる新古今和歌集。

古今和歌集(905年)と新古今和歌集(1205年)。 この300年で大きく変わったのは冬の美の再発見。 雪の和歌を比べるとその変化が見てとれる。 古今和歌集では紀貫之の雪を花に見立てた歌や 雪降れば ...
西行「山家集」

西行「山家集」冬の章より落葉歌

葉を散らす木々や地面に覆う落ち葉。 それが秋から冬に変わる頃の歌人の関心事だった。 西行「山家集」冬の章から何首かピックアップ。 立田姫 染めし梢の 散るをりは くれなゐあらふ 山川の水 紅葉よる 網...