投資や経済の話題

国際政治・外交と地政学

正義のかたちと知性の限界/高坂正堯「国際政治」

頭の中の振り子が地政学や外交の方へ振れると、読み返さなきゃ!と思うのが、高坂正堯氏(1934~96)の著作。 といっても、手元には「文明が衰亡するとき」しかなかったので、先日Kindleでセールをして...
世界と日本の経済史

図解 ヴェネツィア 衰亡の要因/高坂正堯「文明が衰亡するとき」

繁栄を謳歌したヴェネツィアの衰亡が今の日本に似てる?と言われることもあるので、高坂正尭「文明が衰亡するとき」P116~157を再読して図解。 外部環境の変化 オスマン・トルコの攻勢…1463~79の戦...
資本主義問題

ジョージ・ソロスの“reflexivity”(再帰性・相互作用性)

“Foreign Affairs”別冊アンソロジーを読んだのを機に、グローバル資本主義の問題点をえぐった名著をということで、1998年に出版された一冊を取り寄せた(日本語版は1999年)。 ジョージ・...
お薦めの本

マジックマネー、資本主義の衝突、デジタル独裁国家/“Foreign Affairs”別冊アンソロジー

危機の時は“Foreign Affairs”の別冊アンソロジー 東アジアの地政学について学んでいて、あ!と思い出して購入したのが、“Foreign Affairs”の別冊アンソロジー「パンデミック後の...
国際政治・外交と地政学

東アジアの地政学を学ぶ

岡本行夫「日本にとって最大の危機とは?」を読んだのを機に、東アジアの地政学を学んでおきたいなと思い、とりあえず以下の2冊を読んだ。 茂木誠「日本人が知るべき東アジアの地政学」 秋本利秋「逆さ地図で解き...
国際政治・外交と地政学

隣国の建国100周年に要注意/岡本行夫「日本にとって最大の危機とは?」

岡本行夫さん。顔を見れば、外交関係のあの人か、と分かる方が多いだろう。COVID-19で2020年4月24日に亡くなっていたのか・・・。 アダム・トゥーズ「暴落」を読んだのをきっかけに、私は外交や地政...
お薦めの本

2008年の金融危機は世界をどう変えたのか?/アダム・トゥーズ「暴落」

サブプライムローン問題の前史から、トランプ大統領誕生までの、およそ10年間の世界の政治・経済を描いた、アダム・トゥーズ「暴落」。 上下巻そろえると約1万円になるが、お値段以上の価値があり、当時の株価や...
投資教育

投資に値するアクティブ投信をどう探すか?

まず資産形成の土台はiDeCoやNISAでインデックスの積立投資。そして個々の社会的立場や関心、将来の目標に応じて、アクティブ投信や個別株への投資に広げていくのがいいのでは?という考え方を以前、以下の...
お薦めの本

ジョルジョ・アガンベン、緊急事態への抵抗の記録「私たちはどこにいるのか?」

今回のパンデミックで初めて名前を知った、イタリアの哲学者、ジョルジョ・アガンベン(1942~)。 イタリアでのCOVID-19第一波は2020年2月下旬から始まり、3月に死者数が急上昇し、ピークは3月...
投信ビジネスの闇と再生への道

ESG投信の化けの皮をはがせ!・その2/金融庁「サステナブルファイナンス有識者会議報告書」

前回はESG投信の情報開示問題についてのEUの対応を紹介。 ESG投信の化けの皮をはがせ!/EUのサステナブルファイナンス開示規則(21/05/27) これに関連して日本でも動きがあったので続編。 金...
投資や経済の話題

財政・金融政策のためのレスキャッシュ社会/ケネス・ロゴフ「現金の呪い」

2018年に経産省から「キャッシュレス・ビジョン」が示された頃、他の先進国と比較してキャッシュレス決済比率が低いから、2020年の東京五輪までに改善しないと世界の恥、みたいな話があった。 そんなのは表...
社会や政治の問題など

そもそも東京五輪開催はなんのため?

今やCOVID-19だけが待ち望んでいるとも揶揄される東京五輪。そもそもどういう経緯で、なんのために開催することになったのか? そんな疑問からWikipediaを読んで頭を整理した。 2016年東京オ...
世界を読み解く方法

歴史家はどのように歴史像を描くのか?

エドワード・ハレット・カー「歴史とは何か」に登場する、「歴史とは現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話」という文章を目にして、投資家の思考と似ているなと感じた。 歴史とは現在と過去との対話/エドワー...
投信ビジネスの闇と再生への道

ESG投信の化けの皮をはがせ!/EUのサステナブルファイナンス開示規則

「ESG投資」や「SDGs」というキーワードが話題になるにつれ、これに関連する投資信託が数多く設定されるようになった。この手の商品に対する私の見解は、 そもそも企業は何らかの社会課題を解決するために存...
お薦めの本

井川直子「シェフたちのコロナ禍」

2020年4月7日、7都道府県に緊急事態宣言が出された翌日、4月8日から5月27日にかけて全34店舗の料理人の声を拾い、同年10月に再度聞き取りを行った記録。 COVID-19の災禍で、不安がピークに...
COVID-19

乃木坂のフレンチ、FEUが閉店の衝撃!

フランス料理で一番好きだった乃木坂の「FEU」が6月末に閉店。2018年7月に初めて訪れてから、今までに7回美味しくいただいた。 夏は駅近の店で食事をしたいな、という不純な動機からたまたま出会い、「こ...
IR情報等から企業を見る

ソニーが帰ってきた!

先週、ソニーの株価が12,000円を超え、なんだか気分が上がってしまう。日本を代表する上場企業と言えば、ソニーとトヨタ自動車、という意識がこびりついている私は古い人間なのだなぁと反省。 私はITバブル...
投資や経済の話題

世界経済の政治的トリレンマの現在地

世界経済の政治的トリレンマを描いた、ダニ・ロドリック「グローバリゼーション・パラドクス」。原書は2012年に、日本語訳は2013年に出版された。 著者は民主主義とグローバル市場の間の緊張を解決する方法...
COVID-19

緊急事態宣言ふたたび。政治は…これが限界か。

12月頃から雲行きが怪しくなっていたにもかかわらず、何か手を打つでもなく、悪化の一途をたどり…、緊急事態宣言へ。といった印象で、なんだかなぁ。 そういえば去年の春、出版された本にこんな一節があった。 ...
COVID-19

インフルエンザが帰ってきた時のために

ふと思いついて、厚労省の「人口動態統計」から、インフルエンザによる死者数の推移を抜き出してみた。 インフルエンザはワクチンも治療薬もあって、主に冬の間だけ流行する。(2019年1月は1日あたり50人近...