人生の哲学と科学

古典に学ぶ人生論

世間に価値判断を委ねない/マルクス・アウレリウス「自省録」

前回のポッドキャスト収録で、「株式投資において辛抱強さを身につけるには?」とrennyさんから問われて、古典を読むことと回答。 禅の問答集と答えている時、思い描いたのは「正法眼蔵随聞記」。私の愛読書「...
お薦めの本

人生を楽しむために学び、自分なりの価値観を持て!/國分功一郎「目的への抵抗」

今春、國分功一郎「暇と退屈の倫理学」の文庫化を機に再読、 蔵書に加えてまもなく、新潮新書から新刊が出たので手にとった。 國分功一郎「目的への抵抗」 読み始めてみると、その内容の半分超は、 おととしジョ...
日本の美意識

語源に学ぶ「しあわせ」のかたち。為合わせ・仕合わせ・幸せ。

中島みゆき「糸」にこんな一節がある。 縦の糸はあなた 横の糸は私 逢うべき糸に 出逢えることを 人は 仕合わせと呼びます 「幸せ」ではなく、「仕合わせ」と表現し、 さらに語源をきちんと意識した深いフレ...
人工知能をめぐる議論

AIくずし字認識アプリ「みを(miwo)」

最近AI関連ニュースは「Chat GPT」の話題で持ちきりだけど、個人的に注目しているのは、AIくずし字認識アプリの「みを(miwo)」。 古文書のくずし字をカメラ撮影して、このアプリに読む込むと、い...
宇宙を読み解く科学

ドレイク方程式を運命の出会いに応用する。その確率は?

夫婦円満の秘訣なんて尋ねられてもよく分からない。とりあえず参考になるかもしれないドレイク方程式を紹介しよう。 昨年亡くなった天文学者、フランク・ドレイクが1961年に発表した方程式。地球外の知的生命体...
「時」を読み解く

過去・現在・未来と時が流れはじめた背景

大人になると「未来」とか「将来」という言葉を気軽に使うが、子供の頃はあまりピンと来なくて「?」だったことを思い出した。 記念の冊子やアルバム用に「将来の夢」を書けと言われても、まったく思いつかず、最後...
投資で創った人生哲学

読書で知的好奇心の網を広げ、その網で投資機会を捕らえる。

「投資」って何ですか?をテーマに、rennyさんに私の頭の中からいろいろ引き出していただいて、すごい発見があった、今月のポッドキャスト収録。※前編・後編 「吉田さんにとって投資とは何ですか?と掘り下げ...
脳と遺伝子の探求

知的好奇心の衰えに抗う

世の中が複雑になればなるほど、何が将来に役立つか分からない。だから一見無駄に思われるような知識や経験が重要になってくる。 そんな混沌の中に飛び込むために不可欠なのが知的好奇心だが、歳を重ねるにつれて衰...
人工知能をめぐる議論

ワコールの3D計測。下着選びはまだAIに任せられない。

妻が銀座に行きたいというので、ひとつ条件を出した。GINZA SIXにある
世界を読み解く方法

問いや仮説の記録を残すためにブログを綴る

スティーブ・ジョブズが講演(2005年・スタンフォード)の中で語った、"Connecting the Dots"についての一節。 “Again, you can’t connect the dots ...
人生の哲学と科学

好奇心はどのように生まれるのか?

知的な好奇心や探究心はどのように生まれるのか? 「考える葦」を文脈から読む/パスカル「パンセ」(12/06/29) パスカルに言わせれば、人間には生来、考える欲望があるから、好奇心は内から自然と湧き上...
世界を読み解く方法

数学の魔術的な有効性/須藤靖「宇宙は数式でできている」

学生時代に数学が苦手になり、敬遠してしまう人は数多い。でも、須藤靖「宇宙は数式でできている」が指摘するように、 「この宇宙は信じがたい精度で数学的な法則に従っている。」 同内容の名言を残した偉人は数多...
人工知能をめぐる議論

人が寄せる信頼は意外と不合理

対談集「私たちはAIを信頼できるか」を読んでいて、そもそも私たちの「信頼」がどのように成り立っているか分からない、という話が興味深かった。 人間は何の意味も根拠もなくても、自分にとって有用で信頼性の高...
お薦めの本

チャールズ・スペンス「センスハック」

「センスハック」の言葉の意味がよく分からず、また邦訳の副題が「生産性を上げる究極の多感覚メソッド」と、安っぽいビジネス書の匂いがして、見向きもしていなかった一冊。 しかし最近、著者がチャールズ・スペン...
人生の哲学と科学

美味しさを感じる能力は言語の獲得とリンクしている?

味の素食の文化センターの食の文化シンポジウム2022で、東原和成さんの講演に面白い話があったのでメモ。 まず前提として、食材の「風味」が料理の味を決めると説いた、ゴードン・M・シェファード「美味しさの...
人生の哲学と科学

欲求のピラミッド。マズローは否定され、今はケンリックが支持されている。

私たち人間の欲望・欲求を構造化しようという試みの中で、一番有名なのは1943年に心理学者、マズローが示したピラミッド。 マズローのピラミッドは、自説の補強に引用される例を多々目にするが、近年では最新の...
世界を読み解く方法

カルロ・ロヴェッリの量子論に、思考法や思考の癖を学ぶ。

カルロ・ロヴェッリ「世界は関係でできている」。 量子力学の解釈をめぐり、大きく分けて、「多世界解釈」「隠れた変数の理論」「QBリズム」の3つの派閥があるが、著者は「関係」を軸に解釈すべきと説く。 科学...
世界を読み解く方法

閃きを呼ぶ「玲瓏」は、神を招く作法と同じ。

羽生善治さんがサインに記す「玲瓏(れいろう)」。 この言葉についての本人の解説を引用すると、 「意味としては、富士山の頂上から眺めるような風光明媚な景色、またはそのような心境ということです。意味の近い...
投資で創った人生哲学

論理的に一貫しているものが好まれるわけ

論理の積み上げにより、世界を読み解くことができるという考え方は、連続性・規則性を望む私たちの脳が見せる幻想ではないか? 前回の記事でそんなことを書いた。 これを認識させられたのが、私たち人間は約60兆...
世界を読み解く方法

論理より直感を信じるようになった経緯

論理的思考、ロジカル・シンキング。 私のなかでは2000~2010年あたりに、世間でもてはやされた印象がある。当時20代だった私は、なるほど論理の積み上げが大切なのか!と真に受けたが、とくに証券市場と...