人生の哲学と科学

お薦めの本

ダンカン・ワッツ「偶然の科学」

著者は複雑系社会学の第一人者。(スモールワールド理論で有名) 社会で起きる出来事は、すべて後付けでしか説明することができず、 過去と未来をつなぐものは「偶然」であることを解き明かす。 ちなみに原題は、...
古典に学ぶ人生論

人間死ぬまでは、幸運な人とは呼んでも…/ヘロドトス「歴史」

その死によって美学が完成する、西行の人生を追いかけていると、 ヘロドトス「歴史」のソロンの言葉を思い出す。※全文は末尾に 「人間死ぬまでは、幸運な人とは呼んでも幸福な人と申すのは差し控えねばなりません...
投資で創った人生哲学

投資の魔力に魅せられて

投資の世界との出会いが早すぎたのかな。 「人としての成長」と「資産の成長」のバランスが崩れてしまうから。 ゴールドだけ増えて、経験値が増えずレベルが低いままだったら、 先には進めない…ドラクエをイメー...
道元「正法眼蔵」

生死の悩みから離れるために/道元「正法眼蔵」

枯山水から「禅」と遭遇し、道元の「正法眼蔵」と格闘中。とにかく長い。 人はどうすれば生死の悩みから離れることができるのか? そんなことを論じた「生死」の巻が目にとまったので軽く紹介。 道元は生死の悩み...
お薦めの本

しあわせを探すための幸福論・推薦図書10選

2008年5月。30歳の誕生日を迎えた頃に気がついた。 20代に追いかけたしあわせのかたちは、まったく見当違いだったと。 それ以来、古今東西あらゆる幸福に関する本を読み続けている。 このあたりでいった...
古典に学ぶ人生論

技術革新と機心(荘子)

「荘子」外篇・天地第十二に出てくる「機心」って聞いたことあるかな。 「機械有るものは必ず機事あり。機事有るものは必ず機心あり。機心胸中に生ずれば、則ち純白備わらず。純白備わらざれば、則ち神生定まらず。...
兼好法師「徒然草」

叶わぬ恋ゆえの無常/徒然草に秘められた想い

徒然草の主題は「無常」だけど、その心は宗教的なものではなく、 今この時を生きる大切さを説いたもの。→前回紹介した記事へ では、兼好の無常観はどこから生まれたのか? あまり語られることのない、徒然草の悲...
古典に学ぶ人生論

花は散るからこそ美しい/世阿弥「風姿花伝」

能の魅力を「花」に例えた世阿弥の能楽論「風姿花伝」。 「時分の花」に惑わされず「まことの花」を目指せ、と説いた部分は、 人生論として捉えることもできることは、以前紹介したとおり。 → 世阿弥の人生論-...
兼好法師「徒然草」

生きてある日は今日ばかり/徒然草の死生観

今月のNHK「100分 de 名著」が、なんと我が愛読書「徒然草」。 これは私もテレビ番組に負けじと語らずにはいられない! この作品の根底を貫く主題は「無常観」。 兼好「法師」とは呼ばれるが、彼の無常...
兼好法師「徒然草」

孤独と向き合う/徒然草12、13、75、134段

人は本来孤独なもの。 そんな事実に目をそらすには好都合なものが今の時代にはたくさんある。 たとえばSNSような、夢幻か現実か分からない人とのつながり。。。 昨年の漢字に「絆」が選ばれたり、経済で言うと...
兼好法師「徒然草」

つれづれ(徒然)に込められた人生観/徒然草75段

「つれづれなるままに、日暮らし、硯に向かひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。」 言わずと知れた、吉田兼好「徒然草」の序段。 「つれづれ」は「するこ...
お薦めの本

新渡戸稲造「逆境を越えてゆく者へ」

新渡戸稲造が自らの人生哲学を説いた「修養」「自警」から、 「苦難の時をいかに生きるか」をテーマに編集、現代語訳にした本。 新渡戸の著書は「武士道」しか読んだことないから、ちょうどよかった。 世の中には...
世界を読み解く方法

見落とされたデカルトの言葉(論理的思考の欠陥)

論理を積み上げて、複雑なこの世界を分かったつもりになる。 そんな大きな間違えの出発点は、17世紀半ばのデカルト。 なんて話を以前書いた。→ 論理的思考の再構築に向けて(11/05/16) でも、デカル...
投資で創った人生哲学

投資家より投機家でありたい

株式投資をはじめた頃は、「投資」と「投機」なんて言葉を対比し、自分は「投機」ではなく「投資」をしているのだと主張したがったものだ。個人投資家のバイブル、ベンジャミン・グレアム「賢明なる投資家」が、第1...
ラッセル&アランの幸福論

社会は奇跡の場所/アラン「幸福論」

私たちは生きていくうえで、社会や人といろいろな関わりをもっている。そして関わりが増えるほど、煩悩にとらわれ、苦しむことになる。あるがままを受け止め、欲をそぎ落として、今この時を大切に生きる。それが「無...
道元「正法眼蔵」

月に全宇宙を見た道元/正法眼蔵「都機」の巻

「諸月の円成すること、前三々のみにあらず、後三々のみにあらず。」 ではじまる「正法眼蔵」の「都機」の巻。「つき」と読み、月のことだ。月が好きな私には、見逃せない巻なのだ。 釈迦の「仏とは虚空であり、水...
ラッセル&アランの幸福論

笑うから幸福なのだ/アラン「幸福論」

今月の「100分 de 名著」は、アラン「幸福論」がテーマなのか。この本なら一通り読むのに100分かからないから、ぜひ一度読んでみて。アランの幸福論でひときわ輝いているフレーズはやはり… 「幸福だから...
古典に学ぶ人生論

森信三「人生二度なし」

久しぶりに森信三「修身教授録」を手にとった。「修身」っていうのは戦前の学校で行われていた「道徳」の授業のこと。なんとなく「人生二度なし」って章に吸い寄せられて… 「この肉体が朽ちるとともに、同時にその...
日本の美意識

道元「正法眼蔵」と枯山水をつなぐ

枯山水の背景を追いかけたら、禅僧・夢窓国師の山水思想に行き着き、禅の歴史をさかのぼったら、道元の山水一如の精神があらわれた。そんな流れで道元が遺した大著「正法眼蔵」に手をつけてしまった。 まずは表題に...
しあわせのかたち

秘する花を心に

多様な情報や価値観に触れることができるようになったけど、それで幸せになったかというと…、実は生きづらい世の中になっている。 何を判断するにも情報に振りまわされてしまい、 「山ほどある情報から自分に必要...