古典に学ぶ人生論

兼好法師「徒然草」

世間の評価はどうでもいい/徒然草38段

自己評価はむずかしい。だからといって他者との比較や世間からの評価に振り回される人生は愚かだ。兼好法師は「徒然草」のなかで次のように斬り捨てる。 「名利に使はれて、閑かなる暇なく、一生を苦しむるこそ、愚...
古典に学ぶ人生論

人生の運不運を決める天地の拍子/只野真葛「独考」

引き続き、只野真葛の「独考」(1817年成立)を読む。 前回は当時の「経済倫理の低さへの嘆き」をテーマに編集したが、今日は真葛の考える「人生のタイミング」についてまとめてみる。 不運続きの工藤家 真葛...
兼好法師「徒然草」

人生を楽しむための徒然草150段の方法論

最近の笑い話の鉄板ネタと言えば、包丁も持ったこともないのに、本格的な和食の料理教室に習いに行ったことで、あっという間に上達し、今ではすっかり料理はお手のもの。 先日、友人に言われて気がついたのだが、大...
電子出版・著作集

第4版「古典に学ぶ人生論」

Amazonの読み放題プログラムがはじまってから、より多くの方に読んでもらえるようになったので、全体的に少しずつ手直しを加え、特に禅の章に多く加筆した。 和歌や五輪書の章を作りたいと思いつつ、読み込み...
投資哲学を求めて

荘子「不測に立ちて無有に遊ぶ」

荘子の「遊」にまつわる記述はとてもおもしろい。以前はありのままに生きることの大切さを説いた「遊」を編集したが、 荘子「無窮に遊び、心に天遊を!」 今日は投資の心得にも通ずる「遊」についてまとめておこう...
道元「正法眼蔵」

道元の時間論/正法眼蔵・有時

今月のNHK「100分de名著」は道元の「正法眼蔵」。 この番組でも「哲学書」として紹介されていたけど、「時」を哲学した書物としては世界最古と言えるかもしれない。※一般的には時を論じた哲学者といえば2...
中国古典

明鏡止水/荘子・徳充符篇

荘子にはことわざや四字熟語のもとになった話が数多い。「明鏡止水」は「明鏡」と「止水」の2つに分かれて出てくるから、後で探しやすいようにメモしておこう。 2つの話が収録される徳充符篇では障害を持った賢人...
世界を読み解く方法

人は善悪の境界を引くと暴力的になる。

私たちが直面する様々な社会的課題を投資家が解決できるのでは?そんな問題意識を持って、私の元に取材にやってくる方達がいるが、ご期待にそえるような話ができたことがない。 もちろんマイクロ投資のような小さな...
宮本武蔵「五輪書」

宮本武蔵「五輪書」の奥義を要約・編集

今月のNHK「100分 de 名著」は宮本武蔵の「五輪書」か。中国古典の諸子百家(論語や老子など)のように、読み手の立場や心境によって形を変える魅力を持つ、日本の古典の中では希有な一冊といえる。 「渡...
名言・名文

小魚を煮るように国を治めよ/老子「治大国若烹小鮮」

老子の第60章にこんな一節がある。 治大国若烹小鮮 大国を治むるは、小鮮を烹るがごとし。 小魚を煮るときは型崩れしないように弱火でじっくりと。 大国の統治も料理と同じだと老子は説いた。 「私は収穫の時...
私の人生観

早期リタイアよりも幸福な白楽天流「中隠」生活

かねてより35歳での隠居を明言し、遂にその時がやってきた2013年。 完全な隠居はあきらめて、別の生き方を探しはじめた。 世を捨てても世に捨てられずに生きる(13/05/07) 思わぬ幸運のめぐりあわ...
古典に学ぶ人生論

澄んだ水に月が宿るように…/一休宗純の名言

アニメの一休さんは架空の存在。 禅僧・一休宗純は型破りな人物で自ら「狂」を名乗った。 「悪」と称された歴史上の人物に近いかもしれない。 そんな一休の遺した名言をいくつか。 「今日ほめて明日わるく言う人...
古典に学ぶ人生論

白楽天は晩年の詩がいい!

中国唐代の詩人、白楽天の「中隠」が大好き。 玄宗と楊貴妃を詠った「長恨歌」が有名だけど、 50代後半以降に詠んだ漢詩の方が味わい深い。 今日は目にとまったものを3つほど。 五十年来思慮熟  五十年来の...
電子出版・著作集

電子出版4作目「古典に学ぶ幸運論」

1年ぶりに新しいKindle本をつくった。 「古典に学ぶ~」をシリーズにしてみようかなと。 既刊の「古典に学ぶ人生論」は人生全般の話だけど、 今回は「偶然の幸運をつかむためには?」を探究すべく、 「富...
古典に学ぶ人生論

自分のやり方にこだわれば、努力は害でしかない。

先日紹介した、桜井章一「努力しない生き方」。 「努力」の対義語を「工夫」と捉え、引き算思考を説いた一冊。 そういえば似たような話を説いている本があった。 芦田宏直「努力する人間になってはいけない」 専...
古典に学ぶ人生論

嫉妬されるのは、あなたが幸福な証。

結婚式を前に知人と面倒なことに…どうすれば? そんな悩みを聞いたけど、嫉妬ばかりはどうにもならない。 嫉妬で幸福になる人なんて誰もいないのだけど… 「総じて、普通の人間性の特徴の中で、ねたみが最も不幸...
古典に学ぶ人生論

荘子「無窮に遊び、心に天遊を!」

今月のNHK"100分de 名著"が「荘子」なので、 私が好きな荘子のフレーズを並べてみよう。 編集テーマは「遊」。 「天地の正に乗じて、六気の弁に御し、以て無窮に遊ぶ者は、彼はたなにをか待たんや。」...
古典に学ぶ人生論

数寄を超え、次の世界への扉を開く。

この数年「数寄」という言葉を軸に心を整えてきた。 群れたり、媚びたりして、理解者など得ようとせずに、 ひとり遊びを極めることが、人生で最も大切なこと。 「まぎるる方なく、ただひとりあるのみこそよけれ。...
古典に学ぶ人生論

無限と有限の間/キルケゴール「死に至る病」を超・要約

キルケゴール「死に至る病」。 解読できた部分をピックアップしとこ。 死に至る病とは「絶望」のこと 人は無限性と有限性の間でバランスをとって生きている 人はふたつの間のバランスを崩したときに絶望する 無...
投資哲学を求めて

道を極めるための9ヶ条/宮本武蔵「五輪書」地の巻

宮本武蔵の「五輪書」には不思議な魅力がある。 もちろん剣の道(兵法の道)を念頭に書かれているが、 読み手の視点によって、形を変えて心に飛び込んでくる。 ビジネス書として受け止める人もいるだろうし、 私...