中国古典

古典に学ぶ人生論

荘子「無窮に遊び、心に天遊を!」

今月のNHK"100分de 名著"が「荘子」なので、 私が好きな荘子のフレーズを並べてみよう。 編集テーマは「遊」。 「天地の正に乗じて、六気の弁に御し、以て無窮に遊ぶ者は、彼はたなにをか待たんや。」...
古典に学ぶ人生論

美学を持って生きる/菜根譚・前集55,66、後集70

老子の(33章)「足ることを知る者は富めり」にはじまり、 古今東西で説かれた「足を知る」ことの大切さ。 もちろん中国古典の集大成である菜根譚にも残されている。 まずは前集55項と66項を続けて紹介する...
古典に学ぶ人生論

平穏な時に心の準備を/菜根譚・前集85、後集118

いい機会なので菜根譚のお気に入りをまとめとこ。 人生はメリハリがあった方が楽しいものだけど、 緩急の変化も度を越すと疲れてしまう。 平時こそ心の準備が必要と説く前集85項より。 閑中に放過せざれば、忙...
IR情報等から企業を見る

ありのままを伝える大切さ/菜根譚・前集102

昨日モデルのごとく写真を撮られまくるという珍体験! 上場企業の情報開示にまつわる取材だったのだけど、 有価証券報告書などの型にはまった情報ではなく アニュアルレポート・CSRレポートなどから 企業の個...
古典に学ぶ人生論

濃淡つけず、ほとほどに生きる。/菜根譚・前集29,41

私のお薦めテレビ番組NHK「100分de名著」。 今月は中国明代の古典「菜根譚」が取り上げられている。 中国の古典から好きなものを一冊選べと言われると、 「老子」と「菜根譚」で迷う。私にとってそんな一...
古典に学ぶ人生論

禅の悟りへ至る道「十牛図」

禅の悟りへ至る道筋を描いた10枚の絵と出会った。 なるほど!と感じたので、かいつまんでまとめておこう。 主に牛と牧人が描かれているが、その意味するところは、 牛・・・本当の自分 牧人・・・本当の自分を...
食文化と美食探訪

タニタ食堂で目指す、薄味の人生

最近、週に2、3回は「タニタ食堂」で昼ご飯。 タニタ食堂には5つのルールがあり、 3番目の「味付けにこだわる」というコンセプト。 「出汁の味や素材そのものの「おいしさ」を感じていただくため、旬のおいし...
古典に学ぶ人生論

述べて作らず、信じて古を好む/孔子「論語」

ここ2,3年は読む本の量を減り、古典を再読する時間を増えた。 新刊書はビジネス書の要約誌「TOP POINT」に目を通す程度。 古典は何度読んでも飽きないし、読むたびに新たな発見がある。 孔子が「論語...
世界を読み解く方法

老子と荘子の相対性理論

中国古典の老子と荘子はセットで老荘思想と呼ばれる。 最近ようやく荘子を読んでみたら、なるほど老子に似ている。 上善は水のごとし(老子・8章) 天下に水よりは柔弱なるはなし(老子・78章) 老子は「水」...
古典に学ぶ人生論

「道」はまごころ/論語・里仁篇「一以貫之」

日本人は「武士道」や「茶道」など「道」を付けるのが好き。 「道」の来歴をたどれば中国へ行き着く。 道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生ず (老子42章) 「道」は「一」以前の現象・存...
古典に学ぶ人生論

しなやかな水のように/老子(8、67、78章)

「弱さ」にこそ「強さ」の源がある。 こんな不思議な反転を初めて指摘したのは、老子だと思う。 私の考える老子の根幹は「水のようにしなやかに国を治めよ!」。 「しなやかに生きろ!」と人生訓に読みかえること...
古典に学ぶ人生論

料理も人生も「淡い味」がいい/菜根譚・前集7、後集25

明朝末期の随筆集、洪自誠「菜根譚」。 中国では注目されず、日本の儒者が編集・刊行し今に残る。 料理に絡めた人生訓を読むと、なるほど中華より和に近い。 まずは前集7項より。 醲肥辛甘非真味。 真味只是淡...
道元「正法眼蔵」

無欲にして万物の妙を見る/道元「身心脱落」

無欲であれば万物の本質(妙)に迫ることができるが、 欲があればその表面上の形(徼)に触れることしかできない。 「常に欲無くして以て其の妙を観、常に欲有りて以て其の徼を観る。」 老子の冒頭で語られた金言...
古典に学ぶ人生論

今を信じることの大切さ/僧璨大師「信心銘」

中国禅の系譜は「達磨大師→慧可大師→僧璨大師」と流れる。 僧璨大師が残した、心を信じることを説いた銘文「信心銘」。 戦前の禅の研究者、鈴木大拙が、 「堂々たる哲学詩であり、禅旨の大要はこれで尽きている...
古典に学ぶ人生論

白楽天「中隠」/官と隠のはざまを生きる

隠居するにはまだ若く、未だ出家するほどの決心も着かない。 富や名声への関心は極めて薄いが、食欲だけは捨てられない。 万人にいい顔はせず、頼りにしてくれる人だけに誠意を尽くす。 暇すぎるのは苦痛ゆえ、依...
古典に学ぶ人生論

技術革新と機心(荘子)

「荘子」外篇・天地第十二に出てくる「機心」って聞いたことあるかな。 「機械有るものは必ず機事あり。機事有るものは必ず機心あり。機心胸中に生ずれば、則ち純白備わらず。純白備わらざれば、則ち神生定まらず。...
古典に学ぶ人生論

水を好んだ「老子」の教え

昨日、引用した老子の78章について、その前の部分も紹介すると、  この世の中には水よりも柔らかでしなやかなものはない。 しかし堅くて強いものを攻めるには水に勝るものはない。 水本来の性質を変えるものな...
古典に学ぶ人生論

優しくなりなさい、そうすれば勇敢になれる

一体誰がこう訳したのか、調べても分からなかったのだけど、「老子」67章で三宝(3つの宝)について語られた部分。 優しくなりなさい、そうすれば勇敢になれる。 つつましくなりなさい、そうすれば広い心を持て...
日本の歴史と文化

浮世絵と菜根譚の共通点

昨日の菜根譚、なんでこんないいものが中国で読まれなかったのか。やはり中国は明の滅亡の前後に、何か大きな断絶があるのかな?と考える一方で、そういえば日本にも同じような例が…。浮世絵だ。日本では軽視され、...
名言・名文

菜根譚に出会う

菜根譚(さいこんたん)は、中国・明の時代に書かれた随筆集。 「中国五千年の人生訓を集大成した奇書」と名高い傑作らしいが、中国では忘れ去られ、江戸時代以降の日本で読まれ続けたらしい。1980年代後半にな...