偶然とリスクの諸相

偶然とリスクの諸相

合理性の上に成り立つ文明は虚構/木村敏「異常の構造」

リーマンショックや3.11後の原発事故を目の当たりにして、科学的な合理性とは一体何なのか? 信用に値するものなのか?と疑問に思い悩み、さまざまな本を読みあさった時期があった。 科学的な合理性でリスクは測れない/ベック「危険社会」 ...
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再現性の低い偶然が未来を決める

昨日昼ご飯を東京大学内のレストランで食べた。 東大には学食のほかにレストランがもりだくさん。 本郷キャンパスレストランマップ 訪れたのは椿山荘カメリア。 貴重な書籍を保管していた煉瓦倉庫を改造した場で、 雰囲気に乗せられて、ちょっと高尚...
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意味と価値は世界の外側に/ヴィトゲンシュタイン「論考」6.41

20世紀の哲学書ベスト3は? と問われると多くの哲学者は、 ハイデガー「存在と時間」 ヴィトゲンシュタイン「論理哲学論考」 残り一冊何を選ぶか迷う と答えるのがおきまりなんだとか。 恥ずかしながら2冊とも途中で挫折...
世界の名言・名文

愛とは偶然に対する信頼/アラン・バディウ「愛の世紀」

九鬼周造の「恋と偶然」つながりで出会った一冊。 フランスで20万部以上売れた哲学書なんだとか。 70歳を超えても愛で世界を語るとはさすがフランス。 私たちは定義づけのような同一性に基づく整理法で、 世界を秩序立てて捉えるような思考回...
世界を読み解く方法

恋から読み解く、人と世界の関係性/九鬼周造「いきの構造」

日本文化論の古典として有名な「いきの構造」。 もちろん「いき」とは江戸時代の美意識「粋」だけど、 様々な読み方ができる、なんだか不思議な一冊。 九鬼周造は「いき」の特徴を3つに分けている。 説明部分をまずは原文のまま引用すると、 ...
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歴史上被害額が大きかった事故ワースト10

これまでに起きた事故の被害額が大きい順にベスト10。 福島については現在進行中で今のところ2位かな。 チェルノブイリ原発事故(2350億ドル/1986年) 福島第一原発事故(1000億ドル超?/2011年) メキシコ湾原油流出事故(4...
NO IMAGE 日本の神様と昔話

神仏習合/歴史・文化から見る日本のリスク感覚・4

3.11後にまとめた日本のリスク観。 歴史・文化から見る日本のリスク感覚 時の捉え方/歴史・文化から見る日本のリスク感覚・2 偶然の扱い方/歴史・文化から見る日本のリスク感覚・3 ちょいと必要に迫られ、都立中央図書館に通って、 3...
NO IMAGE パスカル「パンセ」

「パスカルの賭け」で投資の本質に迫る

投資とは「よりよい未来へ一票を投じる賭け」である。 「賭け」というと倫理的な悪(ギャンブル)が想起されるけど、 結果が分からないことを決断することは「賭け」にほかならない。 もし「賭け」でないと主張するのなら、 論理の積み上げで...
NO IMAGE 投資で創った人生哲学

上昇相場では誰もが天才である

表題はウォール街に古くからあることわざ。 私たちは偶然の成功を偶然のまま放っておくことができず、 過去の選択が必然的に現在へつながっていると幻想してしまう。 あるものが偶然と呼ばれるのは、われわれの認識に欠陥があるからにすぎない(スピノザ...
NO IMAGE パスカル「パンセ」

3.11が告げたリスク管理社会の終わり

日本は「核」を通じて2種類の破滅を経験したことになる。 ヒロシマは「悪」をなそうとして起きた道徳的な破滅 フクシマは「善」をなそうとして起きた産業的な破滅 21世紀の脅威は、あからさまな悪意を持ったものではなく、 善意ではじまったも...
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20世紀の3大「できない」証明/不確定・不完全・不可能

バブルの形成と崩壊は経済・金融界にとってやっかいな問題。 果たしてこの問題は解決策が見つかっていないだけだろうか? 20世紀、私たち人類は様々な分野で驚くべき進歩をとげた。 でも、その一方で「限界がある」ことの証明もなされている。 主に数学...
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初期条件に依存する未来/ポアンカレ「科学と方法」

「ポアンカレ予想」というのを聞いたことがある。詳しくは知らない。 ただ「偶然」や「未来予測」に関する古今東西の記述を探すうち、 数学者アンリ・ポアンカレの「科学と方法」という本に出会った。 偶然を扱ったP73~74が興味深いけど翻訳が...
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科学的な合理性でリスクは測れない/ベック「危険社会」

リスクの社会学といえばウルリヒ・ベック「危険社会」が出発点。 チェルノブイリ原発事故の直後に刊行されたから目立ってるんだね。 フクシマ後の日本へのヒントがないかな?と思って読んでいる。 「二十世紀末近くになって、自然は征服され、誤...
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盗難で一変した「モナ・リザ」の評価

レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作「モナ・リザ」。 この絵が名画と呼ばれるようになったのは20世紀に入ってから。 ある事件が起きるまで、ルーブル美術館が所蔵する絵画の中では、 ラファエロやティツィアーノの方が評価が高かったという。 ※ 評価が...
NO IMAGE 日本の美意識

偶然の文化比較と九鬼周造「偶然と運命」

数学者が偶然や運命を計算で飼い慣らそうと必死だった歴史は、 ピーター・バーンスタインの「リスク」を読めば、なんとなく分かる。 では哲学者は偶然や運命をどう捉えていたのか? あるものが偶然と呼ばれるのは、われわれの認識に欠陥があるか...
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未来が現在・過去を評価するのだから…

投資家として世界を読み解こうと試みた当初の約10年は、 時間の捉え方が「過去→現在→未来」と一直線で幼稚だった。 最終的には大学院にまで行ったけど、そこに未来学は存在せず、 数字と論理を積み上げて必死に過去を説明しているだけだった。 「時」...
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リスク管理社会の変遷と本質

「リスク管理」の考え方は経済理論から生まれたもの。 確率・統計によって偶然やリスクを飼いならす。。。 でも21世紀に入った今、破局をもらたすようなリスク、 たとえば環境問題・金融危機・テロに対して無力を露呈した。 そういえばフランク・ナイト...
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思考欠如の系譜を読み解く/ハンナ・アレント「人間の条件」

ハンナ・アレントは「思考欠如」を現代社会の危機と捉え、 そこに至る系譜をこの「人間の条件」に描こうとした。 労働・仕事・活動の三要素を「人間の条件」と定義し、 近代において「労働」が重要視された結果、 「私たちが労働者の社会に...
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豊かな社会がリスクをもたらす/ベック「危険社会」

政府の役割が「富の分配からリスクの分配」に変わったという話。 それを唱えたウルリヒ・ベックの「危険社会」の記述をあたってみた。 ※「危険」と訳された部分を「リスク」へ書き換えた。 「近代が発展するにつれ富の社会的生産と平行してリス...
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富の分配からリスクの分配へ

リスクを分散・分配することで本質的な危険から目をそらす。これにより社会と人間のあいだに君臨している偶然を排除する。 これが20世紀後半に築かれたリスク管理社会の幻想だった。 「ウルリッヒ・ベックによれば、19世紀までの政府というのは富の分...