製造業の派遣禁止・最低賃金引き上げ→失業率up?

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民主党のマニフェストで気になるところ→「製造現場への派遣を原則禁止
どっちに転ぶかは微妙だけど、私はかえって失業者が増えると思う。

金融危機以前の世界的な好況の中で、製造業への派遣が拡大した。
先日指摘したとおり、この期間、労働者の給料は低く抑えられた可能性がある。
その典型が派遣労働者、という考えから、禁止という発想になるわけだが…

違う見方をすれば、世界的な好況で製造現場の人手が足りなくなる中、
正社員を2名雇うのと、派遣社員3名を受け入れる費用が同じだったら、
企業は当然のように、派遣社員3名の方を選択した。
ワークシェアならぬ給料シェアで、失業者減に貢献していたのが派遣業だった。
だから派遣を禁止すれば、この例でいくと1名失業者が増えることになる。

最低賃金の話にも関連するけど、政府が規制で無理に給料の下支えを試みると、
かえって格差を広げることになり、また景気低迷を長引かせる可能性もある。
1930年代の世界大恐慌時のアメリカでは、ワグナー法の成立(1935)にともない、
労働組合が増えて賃金が高止まりたことが、失業率が下がらなかった原因とも。

今の世界は難しいなぁ、と思うのは、
カネ、モノ、ヒトはグローバル化で世界とつながっているのに、政治は国単位。
給料の話は突き詰めると、中国の為替政策次第のようなところもあるから。

[参考指標]The Big Mac index by Economist
各国のマクドナルドのビックマックの価格から、為替の高低を判断する指標で、
直近の発表では対ドルで、元は49%、円は3%の過小評価ってことになっている。

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