2005年の手紙「How to Minimize Investment Returns」の翻訳の続き。
※前回の記事はこちらへ
今回はそのまま訳すのが難しすぎたので、原文を損なわず概要を紹介。
「摩擦による」コストによって、株主が手にするリターンが、
歴史的に見てかなり少なくなった理由を、
アメリカ企業の全株式を一家族が保有していると仮定して話を進める。
この家族(ゴットロックス家)は、株式を保有し続けるだけで、みんなが同じペースでより裕福になっていく。でも、ここで何人かのお手伝いさんがやってきて、
「保有株式をうまく売買して、他の人よりも裕福になれますよ」とそそのかす。(※このお手伝いさんとは、ブローカーのこと。)
すると、家族全体でアメリカ企業の株を保有していることには変わりないけれど、お手伝いさんに支払った売買手数料の分だけ、家族の年間収入は減少してしまう。
家族のみんなが、こんなことやってもうまくいかないや、と気づいた頃、今度は新しいお手伝いさんがやってきて、
「自分で売買してもダメ。我々のようなファンドマネージャーを雇って、プロに取引を任せなさい。」
と説明を始める。
ファンドマネージャーは、頻繁に売買を繰り返すので、もちろんブローカーも儲かる。ブローカーとグルになって、意図的に取引を増やすこともあるかもしれない。こうして家族の収入はさらに悪化する。
この頃になると家族はみな、自分が銘柄選びやファンド選びをうまくできないことに失望している。そこにつけこむべく、次に現れるのがファイナンシャルプランナーやコンサルタント。混乱しきっている家族は、よろこんでこのお手伝いさんを雇う。
もちろん、その後もうまくいくわけもなく、失意のどん底に陥っているところで、第四の勢力、自信満々のハイパーお手伝いさんがやってくる。本当に他の家族に勝ちたいのなら、もっと報酬を支払わえばいい!との解決策を力説する。ヘッジファンドやプライベートエクイティといった魅力的な名前に誘われて、家族は納得してしまう。
とここまでが、バフェットさん特有の比喩表現での解説。
つまりは、お手伝いさんの報酬(=摩擦によるコスト)の分だけ、
投資家のリターンが減るってこと。 >>>つづく
コメント
ものすごく、「一般的な日本の個人投資家像」が目に浮かぶバフェットさんの例え話ですね~。
投資に関する教育を受けることなく、ハヤリで「株投資だ!」と手を出してしまう。そして、以下バフェット氏の手紙通りの道筋へ・・・
話がそれるかもしれませんが、大人になって社会にでて、改めて「教育って大事なんだな」と思うひとは多いと思います。
ただ、その時点で再教育を行ってから実践に移る人って一握りでだよな~、と感じます。そこが成功の分かれ目なんでしょうねぇ。