上昇相場においては投資関係の出版物は悪本ばかりだ。
新刊書には価値はない。読むべきは歴史的な名著のみ。
ベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家」は読まれただろうか?
序文にはバフェット師匠のありがたいお言葉。
「生涯を通じて投資で成功するためには、知能指数がずば抜けて高い必要もなければ、人並み外れた洞察力を持つことも、内部情報に通じている必要もありません。必要なのは、意思決定のための適切かつ知的なフレームワークと、それを働かせないような力から感情を一定に保つことができる能力です。」P11
さて今日紹介する8章には強気相場への対処法が説かれている。
グレアムは強気相場の際だった特徴として、
- 歴史的に高い株価水準
- 高いPER(株価収益率)
- 債券利回りとの比較における低い配当利回り
- 信用取引による投機の増加
- 低品質普通株の新規公開件数の増加
の5ポイントをかかげている。
2005年に急上昇した日本の株式市場にこの5条件をあてはめると…
- 条件1、4、5は確実に満たしていると言える
- 条件3は日本の国債利回りが異常値のため判定不能
- 条件2は2000年のITバブルと比較するとPERは高くない
弱気相場で買い、強気相場で売るのが基本だが、
グレアムは強気相場で投資をしてはならない、とは言っていない。
「一般の投資家は安値水準が到来するまで、買い付けを控えるべきだという考えは誤りである。・・・・・しっかりとした価値基準に照らして一般株価水準が高すぎる場合を除いて、株式投資用の資金があるならば投資家は株式を買い付けるのが賢明であろう。」 P366
でも人の心は弱い。そして価値基準を持つことも難しい。
第8章の結びの教訓を胸に止めておくべきだろう。
「株価が大幅に上昇した後には絶対に株を買ってはならない。また、大幅に下落したすぐ後には絶対に売ってはならない。」P368
8章を読んだらセットで20章もね。>>>つづく
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