原研哉「デザインのデザイン」

原研哉さんを記事に引用して、この本を紹介していなかったことに気がついた。
輸入物の経済や経営を語る本とは、ちょっと違った切り口が楽しめる良書。

著者は、国際競争を勝ち抜くには、技術や戦略の競争と同等かそれ以上に、
その国の文化のレベルやセンスが重要だと考えており、

「英語の不得意さが幸いして、日本市場は不思議なオリジナリティを維持している。この独自な市場における欲望の質を肥やしていくことが、収穫物の品質を向上させ、グローバルなステージでの日本の競争力を引き上げていくことに繋がるはずだ。」(P144)

グローバル化が遅れている、と批判されがちな日本にも価値があることを指摘。
日本のココがダメだから、変わらなきゃダメ、と騒ぎ立てる評論家は数多い。
でも今の状況はそれなりの歴史を背負ってるから、簡単に変わることはできない。
まして日本は、中国に抜かれるとはいえ、まだ世界3位の経済規模のなんだから。
また、今後の中国との関係についても、こんな風に述べている。

「アジアの東の端というクールなポジションに、自身の分をわきまえた、筋の通ったたたずまいをつくっていかなくてはならない。あたかも座禅を組むように静かに、内省的に。間違っても中国と同じような活況を自国へ呼び起こそうと、軽率な行動に走ってはいけない。」(P161)

これから青春を迎える中国に、青春の時期をすぎた日本が振り回されては、
自国の経済や文化資源をきちんと運用せず、放棄してしまった軽薄な国として、
世界の人々から忘れ去れてしまうのではないか、と著者は心配している。
キーワードは、「成熟した文化のたたずまい」。

変化ができない国ならば、いいところを探して、磨き上げるしかないじゃないか。
そんな想いで私のブログのサブタイトルにも「日本文化」とくっつけてあるんだ♪

デザインのデザイン デザインのデザイン
(2003/10/22)
原 研哉
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