フレドリック・ヘーレン「スウェーデン式アイデア・ブック」

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原研哉「デザインのデザイン」
P156に
日本は文化のたまり場であるとして、
右のような図が紹介されていた。

こうした歴史の蓄積があったからこそ、
他国とは違ったアイデアが生まれ、
19世紀には地図が上下逆転して、
浮世絵が欧州で認められたのかな。

日本はもともとはアイデア勝負の国かも。
戦後の経済成長が急すぎため、
マニュアル人間が大量に必要だった?

ヘーレン氏も本のあとがきにおいて、
英語版より日本語版を先に提供した理由について

「スウェーデンも日本も、資源のない小さな国です。しかし、すばらしい伝統があり、またセンスにあふれています。きらりと光るアイデアや創造性があれば、世界のなかでいっそう存在感を示すことができます。」

そんなヘーレン氏がアイデアのヒントはどんなだったか、ざっと紹介すると、


1.針を探す-答えは、ほかにもある
アインシュタインは、あなたが他の人と違うのはどこ?と聞かれ、
「たとえば、干し草の山から針を探さなくてはならないとします。あなた方はたぶん、針が1本見つかるまで探すでしょう。私は、針が全部、見つかるまで探し続けると思います。」
と答えたらしい。

日本では大学受験くらいまで、問題には1つの答えが用意されているけど、
世の中、そんな簡単なものじゃないから、いろんな視点で物事を見つめないとね。

7.いつものやり方-無意識の習慣に気づく
人間は本能的に模倣する生き物だから、習慣に支配されてしまいがち、
日常的に行う行為に別の方法がないか常に考えてみては?との提案。

なるほど「私の人生は平凡だ」と嘆く前にいろいろ試して人生を楽しむべき。

10.メキシコ・オリンピック-既存の知識を無視する
走り高跳びで「背面跳び」をあみ出し、1968年のメキシコオリンピックで
金メダルに輝いたフォスベリーは、もともと運動選手ではなく医学生。
既存の知識に頼らず、人体の構造を観察し、新しいアイデアを生み出した。

知識や経験との付き合い方は難しいもの。
「経験をつんで選択肢が増えている分だけ、怖いとか、不安だとか、そういう気持ちも増してきている。考える材料が増えれば増えるほど、マイナス面も大きく膨らんで自分の思考を縛ることになる。」by羽生善治

15.裸の王様-難しい言葉でごまかさない
難しい言葉で本質を隠すのはアイデアが弱い証拠。

4歳児にも分かるように説明を。

たしかピーター・リンチだったかな。
投資先の事業内容を子供にも説明できるように、と解説していたのは。

22.創造性の4B-頭がさえる場所
4B…Bar、Bathroom、Buss、Bed

23.発想のもと異分野から刺激を受ける
著者は、週に一度は書店に足を運んで、
読んだことのない雑誌を買ってるんだって。
作家アンドレ・ジイドは、創作のため、毎月1冊興味のない分野の本を読んだ。

私も経済・投資系は卒業して、自然科学系のセミナーを重視するようになった。
しかし、確固たる専門分野がないと、モヤモヤが広がってしまう弊害も…

29.将来のシナリオ-予想は外れるもの
30.素晴らしき未来-おおかたは、まだ行われていない

将来のシナリオなんて当たりはしないし、未来のことは誰にも分からない。
イケア(IKEA)には9つの信条があり、こう締めくくられているという。
「おおかたは、まだ行われていない。素晴らしき未来かな」

アイデア・ブック スウェーデン式 スウェーデン式アイデア・ブック
(2005/03/11)
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