デビット・スミック「世界はカーブ化している」

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今月は暇だから、1日1冊以上のペースで本を読んでいる中、一番良かった本。
ベストセラーのフリードマン「フラット化する世界」に対して、
「金融市場から眺めた世界はフラットではない。ものやサービスをつくりだす世界とはちがい、金融の世界ではまっすぐに進むものなんて1つもないんだ。予見できない不連続、つまり不確実なねじれや曲がりの連続でね…」(P6)
という著者の考えを表したのが、この題名の由来。

著者は各国の政治や金融のトップや著名投資家を相手にコンサル業務をしており、
実体験をもとにした、ここ30年間の世界経済の分析が大変興味深い。
全体的になんとなく統一感がなくグラグラしてるし、未来への提言も特にない。
でも、経済や金融を分析するスタンスとしては、極めて正しいものだと思う。
たしかなものはほとんどなく、変化に対するに柔軟な考えが重要な世界だから。

すでに調べた方が、いらっしゃったら教えて欲しいのですが、
著者がP111で紹介している世界銀行の「国富はどこに?」という調査報告書は、
Web上にありますか? この辺を探したけど、私は見つけることができず…(涙)
「先進国が経済的に成功しているのは、発展途上国にはない膨大な規模の無形の富が存在するためだ」
というのが報告書の結論らしいのだけど、できれば過程も読んでみたい。

世界はカーブ化している グローバル金融はなぜ破綻したか 世界はカーブ化している グローバル金融はなぜ破綻したか
(2009/05/19)
デビッド・スミック
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