桜の語源と西行の和歌

青山墓地で桜を観賞。
生死の境界線に桜。西行の和歌を思い出しながらぼんやり。

ねがはくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月の頃

ふと、桜の語源を調べたくなり、自宅に帰って本棚をゴソゴソ。
2つの語源ネタを見つけてきたので紹介。

佐藤俊樹「桜が創った日本」P1
・「さ」…穀物の精霊。
・「くら」…神が座る場所。
→ 雪が消えて冬が終わり、穀物の精霊が最初に舞い降りてくる場所。

松岡正剛「花鳥風月の科学」P223
・「さくら」は「咲く」から出た言葉。
・「咲く」はサキという言葉が語源。
・エネルギーがいっぱいになり、これ以上は先に進めない状態がサキ。
・エネルギーが充満し、それが破れて先に出る。それが「咲く」ということ。

脈絡なくふたたび西行の桜の和歌に戻って、気に入ったものをいくつか。
※西行は200首近い桜の和歌を詠んだことで有名。

風さそふ 桜の行方は 知らねども 惜しむ心は 身にとまりけり

月見れば 風に桜の 枝なべて 花かと告ぐる 心地こそすれ

雲にまがふ 花の下にて 眺むれば 朧に月は 見ゆるなりけり

春風の 花を散らすと 見る夢は 覚めても胸の 騒ぐなりけり

散る花を 惜しむ心や とどまりて また来ん春の たねになるべき

桜と月があわさった歌がなんだか素敵。
咲きほこる桜はやがて散り、満ちた月は欠けるもの。
自らの人生に投影することではじめて、花鳥風月が理解できるのかな。

※和歌をより詳しく→西行「山家集」春の章より桜歌10首(13/02/13)


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