美術館で日本を考える

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五島美術館にて。
ここには源氏物語絵巻や紫式部日記絵巻が所蔵されている。
絵を見ていて、うにゃ?と思ったのが「家具がどこにもない」こと。
貴族の屋敷なら、豪華な工芸品を飾る棚くらいあっても、と思うけど…。
飾り戸棚らしきものが登場するのは、銀閣寺の書院、同仁斎が初めてかな?

根津美術館にて。
今月は、尾形光琳の燕子花図屏風の展示。
私が訪れた時、庭園にも燕子花が咲いていた。
この美術館の2階には、古代中国の青銅器が常設。
シンプルな美しさを目の当たりにした後に、
あの複雑、ゴテゴテな感じは息苦しい。。。

しかし世界の歴史を見渡すと、複雑性の追求が権力の象徴ような印象。
豪華なヨーロッパの宮殿や幾何学模様てんこ盛りのイスラム教のモスク。
一方で、日本のお城やお寺(特に禅寺)の内部は、簡素で空っぽな感じ。
なんなんだろ? この違い…

江戸時代の外国人(カッテンディーケ)もこんな証言を残している。
日本が他の東洋諸民族と異なる特性の一つは、奢侈贅沢に執着心を持たないことであって、非常に高貴な人々の館ですら、簡素、単純きわまるものである。すなわち、大広間にも備え付けの椅子、机、書棚などの備品が一つもない。
---渡辺京二「逝きし世の面影」P120より

日本を意識する上で、やっぱり「シンプル」「簡素」が重要なキーワードかな。

コメント

  1. baboocon より:

    簡素な和風建築の空間って好きですね(というほど知識があるわけでもないですが・・・)。
    大分前に亡くなった祖父の屋敷が100年前からある大きな蔵つきの屋敷だったんですが、天井が高くて広い仏間などもあって(薄暗くて子供心には少々気味悪かったですが)いいなあと憧れていました。
    今は誰も住まなくなって荒れ果ててしまったのが残念ですが・・・。
    自分も家を建てるなら和風の平屋建てかなあ、などと夢を見ています(笑)

  2. まろ@管理人 より:

    大きな蔵つき?!
    それは「お宝鑑定団」に出演できそうなネタではないですか!