電気自動車と自動車部品会社の未来

「電気自動車の普及 → 多くの自動車部品が不要 → 自動車部品会社の終わり」

世間ではこんなストーリーが成り立っているようで、首をかしげすぎて捻挫しそう。
まず決定的におかしいのが、時間的な感覚。
まるであと2,3年で自動車の半数が電気自動車に置き換わるかのような論調…。

トヨタのプリウスが発売されたのが1997年。あれから13年。
ずいぶんとハイブリット車が売れてるような印象もあるけど、
トヨタの世界販売台数における、ハイブリット車比率は、まだ10%未満のはず。
値段的な問題もあるけど、世の中そんなに急激には変わらないもの。

考える時間があれば、人は機械じゃないから、環境変化に対応しようと努力する。
特に日本の歴史を振り返れば、
・戦国~江戸期の「刀鍛冶→鉄砲鍛冶→花火職人」という技術者の転身ぶり
・織物機械から自動車製造への転身(豊田自動織機→トヨタ自動車)
というように、製造業における技術者の柔軟性を示す例はいろいろ見つかる。

昨日はたまたま「ベアリング(軸受け)」が話題に出たので言わせてもらえば、
この世に回転するものがある限り、チャンスは無限に広がっているはずなんだ。
ここ数年は日本車が売れまくったから、そこばかりに目がいっているだけ。

最後にもう一つのモヤモヤ。
電気自動車が本当に普及するのかどうか? 個人的にやや不安。

部品が少なく簡単に製造可能ということで、新規参入発表が数多い。
でも「乗り物とは目的地まで安全に人を運ぶもの」って根幹が外れてるような?
どんな分野でもそうだけど、「そこに新たな市場があるから儲かりそう」って、
浅はかな考えのもとに、ヒト・モノ・カネが集まってくると、どこかできっと崩壊する。

携帯電話やノートPCの炎上事故でも分かるよう、電池は意外と危険。
そして、トヨタがリコールで苦しんでいるよう、電子制御もなかなか難しい。
大きな事故が起きて、ユーザーがそっぽを向いてしまったら…
地球の環境問題を考えると、こんなことになっては、あまりにもったいない。
もうちょっとゆっくり慎重に、電気自動車を育てて欲しい気がするのだけど…