スペイン経済繁栄の原動力は?

田中素香「拡大するユーロ経済圏」を読んで、へぇーやっぱり、と思ったこと。
西ヨーロッパ諸国の中で、一番元気のいい国はスペインなんだって。
税制の影響もあるだろうけど、今サッカーでもスペインリーグが、
一際輝いて見えるのは、経済が好調な証かもしれない。

著者は1996年以降をスペイン経済の繁栄期と位置づけ、
その原動力として、以下のような点をあげている。

[ユーロ効果]
「EU加盟国の中で物価上昇率がもっとも低い三カ国の平均値から1.5%以内」
というユーロ参加の物価条件を満たすため、政府・経営者・労働組合が
一体となって物価上昇率引き下げを追求。
その結果、実質金利が低下(95年6.8%→99年2.2%)し、内需拡大。

[建設業の黄金時代]
移民の大量流入に支えられ(1998年64万人→2004年277万人)、住宅投資が好調。
住宅価格も値上がりが続いている。※補足資料 
この本は今春出版されたもの、資料のレポートは昨秋。
いずれもバブルを否定しているが、最近はどうなってるのかな?
調べてみたけど、2007年1~6月期の住宅価格の上昇率は前年同期比5.8%、
1998年以降では最低の伸び、というニュースしか見つからず。

[一貫した財政健全化政策]
1982~96年のゴンザレス政権、1996~2004年のアスナール政権
と長期政権が続いたことで、ユーロ参加条件を満たすべく一貫した政策を追求。
目標としていた、財政赤字GDP比3%以下、債務残高GDP比60%以下を達成。
 財政収支;2003年にプラスマイナスゼロ、2005年には初の黒字(GDP比1.1%)
 債務残高;1997年65%→2005年43%
日本もコロコロ総理大臣が変わってちゃ、ダメなんだろうね。

[EU補助金の一貫した巧みな活用]
EUには補助金(地域開発基金、社会基金、農業構造基金)なるものがあるらしく、
スペインは1996~2003年平均でGDP比2.2%もの補助金を受け取ったらしい。
地域開発基金を利用して、マドリードから放射線状に新幹線・高速道路を走らせ、
発展地域と貧困地域、大都市と観光地結んだことで、経済発展につながった。

最後に著者は、今後のスペイン繁栄の条件として、
住宅投資が失速する前に、設備投資・研究開発投資を増やし、
国際競争力を手に入れることができるかどうか、をあげていた。

拡大するユーロ経済圏―その強さとひずみを検証する拡大するユーロ経済圏―その強さとひずみを検証する
田中 素香
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