夢を託す

松本幸四郎(九代目)さんが、インタビューなどに答えるとき、
頻繁に引用するミュージカル「ラ・マンチャの男」の劇中歌の一節がある。
夢とはただ夢みるだけのものでもなく、夢とはただ夢を語るだけのものでもなく、夢とは夢をかなえようとするその人の心意気だ。

夢をかなえるのは難しい。
歳をとると、夢を持ち続けるの方がもっと難しいことに気がつく。
だって年齢とともに、未来への選択肢は少なくなっていくものだから。
人生ってさまざまな可能性を斬り捨てながら一つの道を進んでいくものなのかな。

でも、捨てようとしても捨てきれないのが、夢や目標だったりするじゃない。
だから自分ではかなえられない、かなえられなかった夢を誰かに託す。
もしかしたら、投資にもこんな想いが宿っている面もあるかもしれない。
この会社で働いてみたいけど無理だから応援の意味を込めて株主に、みたいな。

最近、大学院で若手の同級生が就職活動をしている姿を目の当たりにして、
ちょうど10年前、就職活動していたころ、どんな20代の人生が夢だったかなと。
過ぎ去ってしまったことを後悔する気なんてないけど、
あのころの想いをポイっと捨てるのは、なんとなくもったいない。
まだ可能性の残されている、自分より若い人たちを応援することで夢を託す。
こんなのも、夢をかなえようとする心意気の1つといっていいのかな。