クレディビリティはお金より大事

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決算書など数字をいじって投資を楽しむことに飽きてしまった私は最近、
お金と人生・幸福について、あれこれ考える方が好きになった。
しかし「灯台もと暗し」とは本当に的を得た表現で、スゴイ人をすっかり忘れてた。
投資家にはおなじみ、マネックス証券の松本大CEOだ。

1998年10月、ゴールドマン・サックスがNYSEに上場する半年前、
同社のパートナー(共同経営者)だった松本氏は辞表を提出する。
あと半年会社に残っていれば、数十億円の上場プレミアム報酬を手にしたのに…。
辞表を提出したことを知った同僚からも「正気じゃない!」と言われたらしい。
松本氏は、退職の理由を著書のなかでこう語る。

「とりあえず半年だけ待って、大金を手にしてから辞表を出すという選択肢もあったかもしれません。でも、やはりそれはできなかった。辞表を出した理由はいくつかありますが、なかでも一番の大きな理由は『クレディビリティ』です。」
※Credibility: "the quality of deserving to be believed and trusted"

個人向けのオンライン証券を作りたい!って気持ちが日に日に強くなって、
お金目当てにゴールドマンに残るのは信義に反する、という判断。カッコイイ!
やっぱり大金を手にしてからだと、起業するのは精神的にも難しいだろうし、
半年待っていたら、マネックス証券はメジャーなネット証券になれなかったかも。
この決断の結果、お金を得るよりも何倍もの人生の充実・幸福を手にしたはず。

「大事を思ひ立たん人は、避り難く心にかからむことの、本意を遂げずしてさながら捨つべきなり。」徒然草・第五十九段

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