中野孝次「清貧の思想」

今日は電車で東西大移動して時間があったから、掲題の本を半分ほど読んだ。
読んでいる途中なのに、人に薦めたくなる。これ、良書の証。

本阿弥光悦の孫、空中斎光甫のエピソードにふと考えさせられる。
ある武士からさびた刀を金2枚で売ってくれと頼まれた時、
これは名刀正宗だからそんな安くない、と研ぎあげて金250枚で売った。
普通の商人なら掘り出し物と差額は自分の利益にしてしまうのに…って話。

著者は次のように語る。
 本阿弥の家では、目利きたる自分が見て正宗と分かっているものを、相手が知らぬからと言って引き取るような所業を恥とした。大事なのは金儲けではない。刀の目利きにかけては自分たちこそが権威であるという誇りと自負、これが何よりも大切なのであって、金に目がくらんでこの誇りを傷つけるくらいなら死んだ方がましだ、と思っていたのだ。

資産運用の目利きとしての誇りと自負が身についたりすると、どうなんだろ?
理性を失って真の価値を見失うのは資産の少ない順だろう、って考えてる。
(→過去記事「牧場経営から投資家の振舞いを考える」)
そういう人たちからお金を巻き上げるのが、私らバリュー投資家?
投資が趣味なんて人間は所詮カネの亡者。品格を身につけなければ。。。

清貧の思想 (文春文庫)清貧の思想 (文春文庫)
(1996/11)
中野 孝次
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