北村薫「ターン」

かなり間をおいて、前回の「スキップに引き続き、「ターン」を読んだ。
交通事故にあった主人公が、他に誰もいない世界で、毎日3時15分になると、
記憶は残ったまま、前日の3時15分にくるりん、と戻ってしまう。だからターン。
スキップと比べると、ずいぶんと幸せな物語の終わり方。ハッピーエンド。

作者からのメッセージは、前回同様、今この時を大切に!ってところは同じで、
同じことの繰り返す平凡な毎日。そう思っているうちは前に進めない。
ってなところかな。あと目を引いた文章を記録しておくと、

「愛情というのは、自分が《第一》ではなくなることだと思います。嬉しく楽しく、自分を捨てられる魔法だと思います。……でも、雪は白いけど、……白ければ白いほど雪だとは限りませんよね。ゴミ出しの競争じゃないんだから、どれだけ大きなものを捨てられるかが愛の証しだとは限らない。
 だって、愛してる人の自己犠牲を目の前にしたら、見せられる方は……綺麗にいえば胸が痛む、もっといえば、感動するより負担になるんじゃありませんか。男にしたって女にしたって、愛してる片方が夢をあきらめて、その代わり自分べったりになってくれたとしたら、そんなの我慢出来ない筈ですよね。ちょっと待てよ、といいたくなりますよね。……だって自分だけを愛してくれるから、その人に惹かれるわけじゃないでしょう。……その人が、自分以外の何を、どのように愛するのか、……それを知るからこそ、相手を愛せるのでしょう?」
(P336)

私にはまだ分からない世界の内容だけれど、とてもいい話だなぁと感じる。
話の方向性があってるのかどうかは別にして、自分が分かる範囲で考えると…、

まず自分自身が幸せじゃないと、身近な人の幸せまで考えられないと思う。
人を想いやる心を持てるときって、充実した生活を送れてる時だから。
自らの幸せを追求しているうちに、進んでいる道の交差点で様々な人と出会い、
そこから何かの拍子で、愛が生まれるのかもしれない。

ターン (新潮文庫)ターン
北村 薫
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コメント

  1. ダモ より:

    「スキップ」に引き続き、私も「ターン」読みました。「リセット」も読んだよ♪

  2. まろ@管理人 より:

    ダモさん読むのはや~い。
    スキップ読んだのが去年8月だから、私が遅いのか。。。