徒然草・勝手に選んだ名文集

「清貧の思想」の中野孝次氏の「すらすら読める徒然草」なんて本を発見し、
またしても徒然草を楽しんだ。いいかげん、いったん区切りを付けなきゃダメだね。
人の人生は水の流れと同じく、一点に止まれば濁ってしまうものだから。
というわけで、吉田兼好「徒然草」から心に響いた部分をまとめてみた。


人はただ、無常の身に迫りぬることを心にひしとかけて、束の間も忘るまじきなり。(第四十九段)

大事を思ひ立たん人は、避り難く心にかからむことの、本意を遂げずしてさながら捨つべきなり。(第五十九段)

生をむさぼり利を求めて止む時なし。(第七十四段)

世に従へば、心、ほかの塵に奪はれて惑ひやすく、人に交れば、言葉よその聞きに従ひて、さながら心にあらず。(第七十五段)

すべて、何も皆、事のととのほりたるは悪しきことなり。し残したるを、さてうち置きたるは、おもしろく、生き延ぶるわざなり。(第八十二段)

人、死を憎まば、生を愛すべし。存命の喜び、日々に楽しまざらんや。(第九十三段)

寸陰惜しむ人なし。これよく知れるか、愚かなるか。(第百八段)

心は必ずことに触れて来る。かりにも、不善の戯れをなすべからず。(第百五十七段)

一生のうち、むねとあらまほしからん事の中に、いづれか勝るとよく思ひ比べて、第一の事を案じ定めて、その外は思ひ捨てて、一事を励むべし。(第百八十八段)