阿部豊「生命の星の条件を探る」

スティーブン・ホーキング博士と同様の難病、
全身の筋肉が次第に衰えるALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、
自分の研究内容を次世代に受け継ごうと3年書けて書いた一冊。
NHKニュースの特集がきっかけで読みたくなった本だ。

阿部豊「生命の星の条件を探る」著者が示す生命の星の条件は4つ。

  • プレートテクトニクス
  • 大陸
  • 酸素

生命にはなぜ必要なのか?
あらためて問われると言葉に詰まるが、

食べ物や酸素などの物質を体内に取り入れ、体内を循環する水分と一緒に運び、水溶液の中で起こる化学反応によってエネルギーに変えて活動し、余った老廃物を水分とともに排出します。生命というものが化学反応でできている以上、こうして物質を出入りさせることが必要。

その媒体として水がベストの存在ということだ。
また生命とって地表の温度が安定していることが大切。
それには大気中の二酸化炭素の量が安定していなければならない。

大気中にある二酸化炭素は、雨に溶け込んで炭酸になります。雨が海の上に降れば、炭酸は海中に溶解します。地上に降れば、鉱物を溶解する化学風化という作用によって、炭酸は地表・地中を流れながら岩石を溶かし、特にカルシウムイオンを陸から海に流します。海に流れ出したカルシウムイオンは、大気から海に溶解した炭酸と反応して、炭酸塩として海底に沈殿します。炭酸塩というのは石灰岩の主成分です。この炭酸塩が地下のマントルに入っていき、温められて脱ガスすることで再び大気中に放出されるのです。

つまりプレートが動くから、二酸化炭素の循環が成り立つ訳だ。
そうなると炭素循環のために水はもちろん、
カルシウムイオンの供給源として大陸が必要になってくる。
最後に酸素は生物が効率よくエネルギーを得るために必要だ。

また著者の代表的な研究も紹介されていて、
気象学者である妻の研究をヒントに迫った

もしも地球にある水の量をいまの10分の1に減らしたら何が起こるか?

は大変興味深い。

現在の水の量の10分の1、海がつながっておらず、大きな湖が点在しているよう「陸惑星」の放火、実は現在の地球のような「海惑星」よりも生命が見つかる可能性が高く、生命が生き延びる期間も長い。

海惑星と陸惑星を比較すると、水が蒸発しやすいのも、雪や氷になりやすいのも、もともと水の量が多い海惑星のほうだと考えられます。水の少ない陸惑星でそれほど極端な環境の変化は起こりにくく、水の量が多い海惑星ほど環境は不安定になりやすい。

だからもし地球の水の量をいまの10分の1にすれば、
生命の星としての地球の寿命はあと30億年も伸びるという。
地球と宇宙の分野はどんどん新しい発見があって本当に面白い!