夏越の祓の和歌

旧暦の6月30日、現在の8月上旬~中旬に行われた
夏越の祓」(なごしのはらえ)。
気候的にはちょうど今ごろ行われた行事だ。

本来は「年越の祓」とセットで、

水無月の 夏越の祓い する人は
千歳の命 延ぶといふなり

と詠まれたように(拾遺集)、健康長寿を願う重要行事だった。

川の水で身を清める

かつては年後半を無事すごせるように、
川の水で身体を清め、けがれをはらったという。
そんな情景を詠った紀貫之の一首(新古今和歌集285)。

禊ぎする 川の瀬見れば 唐衣
日もゆふぐれに 波ぞ立ちける

同じようにけがれを水に流す習慣としては、

麻の葉を川に流す

麻の葉に悩みごとなどを撫でつけて、川に流すというものがあった。

麻の葉に 思ふことをば なでつけて 
六月はつる 禊ぎをぞする

夏はつる 夕べになれば 川なみに
麻のみそぎを せぬ人ぞなき

また麻の葉によるお祓いが盛んだった様子が分かる和歌も残る。

川上に 人もみそぎや いそぐらん
あまた流るる 麻のゆふしで

川上から麻の葉がたくさん流れてくる情景が詠まれている。

茅の輪くぐり

現在も神社で実施されている茅の輪神事。
茅で作った大きな輪をくぐって、けがれを取り除く行事。
深川神明宮のWebサイトによると、

水無月の 夏越の祓 する人は 
千歳の命 延ぶといふなり

思ふこと みなつきねとて 麻の葉を 
切りに切りても 祓ひつるかな

宮川の 清き流れに 禊せば 
祈れることの 叶はぬはなし

一首ずつ和歌を詠みながら3度輪をくぐってお参りをする。

和菓子を食べる

8月の今、食べたいと思っても売っていないけど、
6月下旬に和菓子屋さんに並ぶ「水無月」。

水無月

三角形が氷を表し、上の小豆に厄除けの意味がある和菓子だ。

しかし暦が変わってしまうと、季節感がズレてしっくりこないものだね。