良寛の桜歌

良寛(1758~1831)というと「書」のイメージがある。
最近、北大路魯山人について調べていたせいかな。
魯山人は食より先に書の達人でこんな講演をしている。

中国の書には外形の美はあるが、日本の能書は内容において立派である。中国の書を日本的に消化し、濾過して創作的芸術の書を生んでいる。その極まったものこそ、良寛の書にほかならない。

でもちゃんと調べてみると、
良寛は歌人としても和歌や俳句を多数残している。
そんな良寛の桜歌をいくつかピックアップしてみた。

何ごとも 移りのみゆく 世の中に
花は昔の 春にかはらず

命あらば またの春べに たづね来む
山の桜を ながめがてらに

毎年、変わらず花を咲かせる桜に、
世の無常を超えた永遠への憧れを詠んだ2首。

いざ子ども 山べにゆかむ 桜見に
明日ともいはば 散りもこそせめ

そして子供を愛したという良寛らしい桜歌。

かぐはしき 桜の花の 空に散る
春のゆふべは 暮れずもあらなむ

夕暮れ時に散りゆく桜を楽しみながら、
このまま時間が止まってしまえばいいのに…

形見とて 何か残さむ 春は花
夏ほととぎす 秋はもみぢ葉

これは辞世の歌とされる和歌。
桜に心を奪われない文化人はいないってことだね。