読書が心を整える/モンテーニュ「エセー」

モンテーニュは「三つの交際について」の章で、
人生を振り返り、3種類の良き交際を比較した。

  1. 美しく礼儀正しい女性たちとの交際
  2. まれで心地よい友愛
  3. 書物との交際

まずは読書以外の2つ(恋愛・友愛)について、

こうした二つの交際は、偶然的な要素が大きいし、どうしても、相手次第というところがある。それに、いっぽうは悲しくなるほど稀なものだし、他方は年齢とともにしぼんでいく。このような次第であるから、この二つの交わりが、私の人生の必要を十分に満たしてくれたとは思えない。

と前置きした上で、読書についてこう語る。

書物との交際は、はるかに確実で、はるかに自分自身のものとなる交わりと言える。他の長所においては、最初の二つに劣るものの、変わることなく、手軽に奉仕してくれるという取り柄を有している。

人生において読書は「最高」ではないが「最強」だ。

心が折れやすい人は、基本的に読書量が足りないから、
生き方の指針となるような本に出会えていないのだろう。

そしてそれを「古典」と呼ばれる本から見出せたなら、
私たちが日々直面する悩みなど些細なことだと悟るだろう。

私たち人間の心の歴史をたどれば、
たくさんのことに悩み、苦しみながら新しい道を開いてきた。
この歴史の中で、読み継がれてきたのが「古典」なのだから。

自分で作る幸福は、決して裏切らない。それは学ぶことであり、しかも人は絶えず学ぶものである。知れば知るほど、学ぶことができるようになる。・・・いかなる行動においても、本当の進歩のしるしとは、人がそこに感じうる楽しみのことである。
---アラン「幸福論」47章

また多くの書物に触れることで、何かを学び続ければ、
その過程に小さな幸せを星の数ほど見つけられるはず。
そしてその星々を線でつないで星座をつくってゆく。
それが心の中に幸せをつくるための読書なのだ。