投信会社のお客様は誰?/本日のスープ38皿目

リレー連載企画「本日のスープ~株式投資をめぐる三重奏~」。
m@さんからのご寄稿コラムです。


アクティブファンドについて運用会社は投資家に伝え切れていない。前回のrennyさんのお話を受けて思い出したことがあります。

あるタオルメーカーでは海外のブランドメーカーのOEMでタオルハンカチをたくさん作っていました。タオル業界はとにかくモデルチェンジの激しい業界で、気に入ったタオルがあっても次に同じものを買いにデパートに行ってももうそこには無いと呼ばれるくらいです。そのタオルメーカーもご多分に漏れず次から次へと新しいモデルのタオルを作り続け、ほとんど毎日新しいモデルのタオルを作っているような状況でした。

ある時、たくさんは売れないだろうけれども自社ブランドをつけて売るタオルを作ることになり、どうせだったら織り屋として究極のタオルを作ろうと考えました。
何をしたかというと、徹底的に業界の慣習の逆をやったのです。モデルチェンジはしない。環境に徹底的にこだわってオーガニックな綿を使う。染色工場には世界トップレベルの排水処理設備を装備してバージンウォーターを使った染色を行うなど・・・。

そうして作ったタオルを地元で売りながら環境展示会に出展すると、エコマニア達の洗礼を受けました。大企業はそれなりにエコに対する専門家がいるので体制が整っていない中小企業がエコマニア達の餌食になったのです。彼らから厳しい声を受けながらそのメーカーはISOを取得したり、工場で使う電力を風力発電によるものにしたりと更なる環境負荷の削減に取り組み続けました。

結果としてエンドユーザーと向き合い、製品のブラッシュアップを続けた結果、NYのトレードショーで受賞するなど中小企業でありながら世界でもその品質が認められるようになりました。

頻繁なモデルチェンジをしなくなることで売り逃げのような事がなくなり、製品に対する顧客の声を真摯に受け止め、本当の意味でさらに良い物を作るようになったのです。
OEM生産中心、次々と新製品を作り続けるなど投資信託業界も似たような慣習がはびこっています。

投信会社にとってのお客様は誰でしょうか。販売会社になっていませんか?

販売会社のお客様が投資家で、投信会社のお客様が販売会社ではありません。投信会社にとってもお客様は投資家なのです。
家電製品などは新製品が出るとエンドユーザーに向けて投信会社が積極的に情報発信を行い、販売を家電量販店などにお願いしています。エンドユーザーは製品の情報が欲しい場合に家電量販店のHPではなく、メーカーのHPに見に来ます。

投資信託もそのような製品になれるよう、もっと投信会社が投資家と直接コミュニケーションを取れるようにしてくれるといいなと思います。既にいくつかの投信会社はブロガー向けのミーティングを開いたり、投資家向けセミナーを開催したりしています。製品をブラッシュアップしていくには投資家の生の声を聞く事から。長く愛される投信を作り出した方が投信会社にとってもメリットはあるはずです。


投信会社のお客様は投資家であるという事を認識して、投資家とのコミュニケーションを増やしていって欲しいと思います。

m@ “いい投資”探検日誌 from 新所沢


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