投資信託詐欺の実態/金融庁「金融レポート」より

2014年から年1回、金融庁から発表されていた「金融モニタリングレポート」。
今年から「金融レポート」と名前を変えたようだ。

金融庁が顧客目線に立って金融機関の悪事をぶった斬る!
という個人投資家としては大いに感謝したいレポートだ。

今回も投資信託の販売姿勢についてデータを示しながら斬り込む。

「銀行において、投資信託販売額や収益が増加してきた一方、残高や保有顧客数が伸びていない状況を見ると、今なお、いわゆる回転売買が相当程度行われていることが推測される。」P63

また日米のファンドの本数、1本あたりの残高の比較が興味深い。
ファンドの規模にこんなに差があったら、信託報酬が安くならないよね。

日米のファンドの本数、残高推移の比較(金融レポート2016)

そしてこの日米比較に付されたコメントも実に痛快だ。

「以上の日米比較から、我が国では、家計の安定的な資産形成に適した投資信託が必ずしも広く提供される状況にはなっていないものと考えられる。その背景としては、例えば販売会社については、短期的な手数料収入等の足元の利益を優先させるあまり、顧客の長期的・安定的な資産形成に貢献し、そのことにより自社の収益基盤の拡大も図っていく、という姿になっていない状況が推察される。」P62

また今回から新たに追求の対象となっている商品・サービスが2つある。

  • 貯蓄性保険商品
  • ファンドラップ

特に外貨建て一時払い保険の手数料が投資信託よりえげつない!と指摘し、
ファンドラップについても手数料が高すぎると指摘すると同時に、

「対象の証券会社や信託銀行が提供しているファンドラップについて、運用対象の投資信託の中身を見ると、系列の投資運用業者が設定する投資信託が平均で5割前後を占めており、中には7割近くに達するものもある。 」P69

業界の悪しき慣習にも踏み込んでいる。

このレポートは個人投資家に向けて書かれたものではない。
金融機関が投資信託を使ってどのように顧客から手数料を巻き上げているか、
その手法が追求されており、詐欺から身を守るために必読と言える。


2014年7月発表の「金融モニタリングレポート」の紹介記事

7月に金融庁からこんなレポートが公表されてた。
これから毎年1回、発表されるみたい。

本文P84~93、概要P17~19で、
銀行の投資信託販売の問題がまとめられている。
資料から注目部分をピックアップして紹介するね。

年々短くなる投資信託の保有期間。
その一方で右肩上がりに伸びる銀行の販売収益。

投信の平均保有期間の推移(金融モニタリングレポート2014)

つまり顧客に保有投信の買い替えを勧めることで、
銀行が販売手数料で儲けている、たしかな証拠。

こうした中、個人投資家がどんな目にあっているか?
金融庁がシュミレーションしているデータが面白い。
銀行言われるがままに投信の乗り換えをすると…。

乗り換え投資のシュミレーション金融モニタリングレポート2014

2003年3月末から10年間でマイナス2.8%という結果。
2003年3月といえば日本株はITバブル後の最安値圏。
TOPIXに投資して持ち続けるだけでプラス50%だよ。