見た目での差別に抵抗がない古代日本(古事記・枕草子)

なぜ美人ばかりが得をするのか基本的には「中身」より「見た目」の世の中だ。

ナンシー・エトコフ「なぜ美人ばかりが得をするのか」
私たちの美に対する愛情は生物学に深く根ざしており、
「人が感じる美=遺伝子を残すために最適な見た目」
という事実に目を背けてはならないと説く。

そういえば日本の古典には美をめぐるヒドイ話がある。

古事記で天から降り立ったニニギノミコトが
コノハナノサクヤヒメに一目惚れしてプロポーズ。
彼女の父は姉のイワナガヒメとともに嫁入りさせる。
2人の姫が象徴していたのは、

  • 美しい花が咲くような栄華(コノハナノサクヤ)
  • 岩のように醜いが長命(イワナガ)

でもニニギノミコトはこんなブスはいやだ!
そのせいで神が持つ永遠の命を失ってもいい!
とイワナガヒメを実家に返してしまった。

見た目でヒドイ扱いをされるのは女性だけではなく、
清少納言は「枕草子」で仏教僧をバッサリ。

説教の講師は顔よき。講師の顔をつとまもらへたるこそ、その説くとのたふとさもおぼゆれ。ひが目しつればふとわするるに、にくげなるは罪や得らんとおぼゆ。

説教の講師はイケメンがいい。
ブサイクな僧の話なんか聞いたら罰が当たりそうだから。
人を見た目で差別することへの抵抗が全くない…。

昔に比べれば今はずいぶん良い世の中になったもの。
美男・美女が得をするのは今も昔も変わらないけど、
今は容姿が平均以下でもここまでヒドイ目にあわない。

現代社会で見た目での差別で思いつく目立った例は、
デブは自己管理能力ナシとみなされ出世できない、
なんてことがごく稀にあるくらいで、そんなのどうにかなるから。