日本の十大家紋。弱さに秘められた強さを愛す。

弱さに秘められた強さを愛す。
昔話をはじめ日本の文化・歴史に見え隠れする特徴。

今回新たに気がついたのが「家紋」。
家紋のモチーフによくベスト10。
まず五大紋と呼ばれる5種は、

    五大紋
  • 鷹の羽
  • 方喰(カタバミ)
  • 木瓜(ボケ)

そして十大紋と呼ばれる10種に広げると、

    十大紋
  • 蔦(ツタ)
  • 茗荷(ミョウガ)
  • 沢瀉(オモダカ)

9種が植物の葉っぱが家紋のモチーフになっている。
ライオンなど強そうな動物がモチーフに多い、
ヨーロッパの紋章とは様子がだいぶ違う。

しかもカタバミとオモダカにいたっては雑草の部類だ。
ちなみに下級武士の間で流行ったというわけではなく、
カタバミは長宗我部元親、オモダカは福島正則が掲げた。

ここでいきなり植物生態学の話へ飛ぶ。
植物の生存戦略に関する「CSR三角形仮説」というのがある。
CSRといっても"Corporate Social Responsibility"ではない。

  • Competitive(競争戦略)
  • Stress tolerant(ストレス耐性戦略)
  • Ruderal(撹乱依存戦略)

のことで、Wikipediaに概略図もあったからついでに紹介しよう。
CSR三角形仮説

まず「競争戦略」については単純だ。
生育環境が良い場所では、競争に勝った強い植物が生き残る。

次に「ストレス耐性戦略」。
苛酷な環境をニッチとして生き残りを計る戦略。
砂漠のサボテンや、氷雪に耐える高山植物がその代表例。

最後に「撹乱依存戦略」。
予測不能な厳しい環境変化に対応して生き残りを計る戦略。
そしてこの代表例が雑草だ。

少し回り道をしたけど、植物のCSR戦略から、
戦国武将が雑草を好んだ理由が見えてくるでしょ。
目立たずとも変化に適応し、代々続く家系になって欲しい。
そんな想いが家紋に込められているのだろう。
一見すると弱いものに強さを見出す。これが日本流なのだ。


【さらに経済の話にまでつなげると…】

多くの雑草は環境適応のために1~5年で世代交代。
何やら日本の政治や企業の経営計画に似ているような。
先週、経済産業省からリリースされた

この中では指摘されている問題を要約すると、

  • 長期投資家の不在と企業と投資家の対話不足が、
  • 日本企業の経営を短期思考へと導く要因となり、
  • ROEなどで示される収益性の指標が低空飛行のまま。

でも日本文化と植物の生存戦略を掛け合わせると、
持続的成長へのアプローチの仕方として、
欧米の競争戦略と日本の撹乱依存戦略に分かれるのでは?
そしてその背景にあるのは戦国時代の家紋というよりも、
元をたどれば自然災害が多いという日本の風土に行き着く。

そんなわけで、経済に関する国家戦略を策定する際に、
経済界の人だけが集まって、内輪で話しているうちは、
真に日本の方向性を示すものは出てこないんだろうなぁ。