建礼門院右京大夫の和歌で詠む七夕の心

七夕の和歌については、これまでもいくつか紹介してきた。

今日は「建礼門院右京大夫集」から七夕の和歌を少々。
この古典の内容や著者の立ち位置は以前紹介したとおり。

壇ノ浦の戦いで恋人を失い、悲嘆にくれる右京大夫は、
ある時ふと見上げた夜空に輝く星々の
花の紙に箔をうち散らしたるによう」な美しさに気がつく。

月をこそ ながめなれしか 星の夜の
深きあはれを こよひ知りぬる

以後彼女は七夕を題材に数多くの星の和歌を詠んだ。
年に一度は会える織姫・彦星と、自らの境遇と比べて、

彦星の 行き合ひの空を ながめても
待つこともなき われぞかなしき

なげきても 逢ふ瀬をたのむ 天の河
このわたりこそ かなしかりけれ

恋いこがれても二度と恋人に会えないことを嘆き、

なにごとも かはりはてぬる 世の中に
契りたがはぬ 星合の空

世の中は 見しにもあらず なりぬるに
面変りせぬ 星合のそら

どんなに世の中が変わっても、変わらぬ七夕の約束。
羨望のまなざしで星空を見つめていたんだろうね。